「日本最南端の国際フェリー」年内就航へ! 石垣島―“台湾”の新航路 そもそもなぜそこにフェリーを?
「日本最南端の国際旅客フェリー航路」として誕生する新たな「日台航路」。2025年秋の就航などと報じられていましたが、いまどうなっているのでしょうか。
台湾側が提案する「もう一つの寄港地」
石垣市はまた、「輸送コストの上昇などに直面している各業界の事業者が、台湾から良質な資材を低コストで仕入れられるようになるなど、離島特有の不利性解消や八重山エリアにおける経済の振興に大きく寄与する」と、貨客船であることのメリットを強調しました。

「文化交流を含め海外からのヒト、モノ、アイデアを積極的に呼び込み、持続的な発展の基礎となる生産性向上やイノベーションの促進、雇用機会の創出などを期待している」(石垣市)
一方、台湾の交通部航港局も「基隆と石垣の両港は距離が近く、台湾製品を石垣島へ輸出する機会が増え、両国の貿易が促進される可能性がある。また、同航路により日本国内の旅行客が石垣島経由で台湾を訪れることも期待され、台湾に観光効果をもたらすと同時に、台湾住民の日本旅行の選択肢が広がり、双方向の観光発展が創出できる」と歓迎しています。
さらに葉協隆局長は台湾東部の蘇澳(スーアオ)港にクルーズ船向けターミナルを整備したことに触れ、より多様な航路を提供するため、蘇澳港への寄港を提案しているといいます。石垣市と蘇澳は30年来にわたり姉妹都市として提携してもいます。
石垣―基隆航路は2025年内に開設され、週3便の運航となる予定。現時点で「やいま丸」に2船目の投入する考えはないとのことです。石垣市は「定期航路の開設により、石垣島と台湾がつながり、さらには台湾からその先のアジアへとつながることで、石垣島がアジアの玄関口として日本とアジアの架け橋になることを望んでいる」と新航路への期待を示しています。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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