「こ、これがアクアライン“半額”効果か…!」 休日のお約束渋滞に“異変” 日本唯一の「4倍変動料金」導入から半年

東京湾アクアラインで行われている「ETC時間帯別料金」の社会実験。通常はETC普通車で800円の通行料金ですが、2025年4月以降は、時間帯によって最大4倍もの差がつくようになっています。それから約半年、実際に利用して“異変”を実感しました。

混雑時間帯が長引いている

 上り線「木更津JCT→川崎浮島JCT」の所要時間は通常「17分」とされています。社会実験前は、これが16時台に最大で「62分」まで増加していたものの、社会実験後は「55分」まで抑えられたというデータがあります。1600円に値上げされるようになって以降の午後時間帯の渋滞がどれだけ緩和されたかは不明なものの、所要時間はさらに短縮している可能性があります。

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休日22時台のアクアライン上り線もこの有様(乗りものニュース編集部撮影)。

 他方、社会実験前・実験中とも19時台になれば所要時間は「30分前後」まで、22時台には「20分未満」まで下がるとされていました。今回、22時台までノロノロだったことからすると、渋滞する時間帯が延びているようです。

 千葉県道路計画課に聞いたところ、「混雑時間帯が後ろ倒しになっているのは認識している」と明かしました。

「この渋滞、ほとんど『木更津』からの客…?」

 ただ、22時頃に木更津金田ICを通過した際の光景は、従来のアクアラインの渋滞時と大きく違っていました。それは、木更津JCT方面から木更津金田本線料金所(IC料金所に隣接)を通過してくるクルマが、もはやこの時間には極めて少なくなっていたことです。

 つまり、その先で渋滞しているクルマのほとんどが「木更津金田ICから流入したクルマ」であり、同IC周辺で遅くまで過ごしていたクルマが少なくないと考えられるのです。

 周辺の商業施設で利用者の滞在時間が増えたのではないかと、県の担当者に聞いたところ、「アウトレットや道の駅から、そうした声は聞かない」と話しました。このアウトレットは木更津金田ICに近い「三井アウトレットパーク木更津」と考えられますが、そもそもここのショップの営業時間は20時まで、レストランも21時までです。

 一方、この日はアウトレットに近い温浴施設へ、アクアラインを利用する前の21時頃に入店したところ、レストランの新規受付を一時停止しているほどの盛況ぶりでした。19時台ならまだしも「この時間に?」と思ったのですが、もしかしたら、アウトレットから流れた人も少なくないのかもしれません。

 県は11月にも検討会を開催し、アクアラインの新料金の影響を取りまとめたいと話します。800円の料金が1600円まで引き上げられたことによる渋滞緩和効果や、逆に400円まで引き下げられることによる効果がどれほどか――他地域へロードプライシングを導入する際の参考事例になる可能性もあります。

【遅い時間なら「半額」】これが「アクアラインの今の料金」です(画像)

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コメント

1件のコメント

  1. ロードプライシングを検討するなら、二輪の料金改定も同時に出来るはず。そこを突っ込んで書いてくれる人はいないの?