ソウル上空でド迫力飛行!「韓国オリジナル戦闘機」が抱える“リスク” 開発順調に見えるけど…大丈夫!?
2025年10月17日に韓国のソウル空軍基地(ソウル空港)において、「ソウル ADEX 2025」(通称ソウルエアショー)が開催され、そこで韓国国産戦闘機のKF-21「ポラメ」がデモフライトを行いました。
KF-21の今後と課題
エアショーや航空祭で披露される戦闘機のデモフライトは、その機体が持つ性能の一部分でしかありません。KF-21の場合も同様ですが、近年の戦闘機開発はスケジュール遅延が常態化しているため、そのようななかで、初飛行から約2年でここまで進歩するのは注目に値すると言えるでしょう。

しかし、KF-21の開発プロジェクトも問題がないわけではありません。共同開発国であるインドネシアとは、現在も開発費の分担や技術移転などの諸問題で合意に至っておらず、いまだ交渉中です。
なお、最初に配備される機体は「ブロックI」と呼ばれる空対空任務が主体になった限定的なモデルで、対地任務も可能な「ブロックII」については、2028年以降の配備を目指して開発が進められています。生産数については最終的には120機の製造と配備を予定していますが、現時点で韓国政府が契約した量産機は「ブロックI」の40機分のみで、生産・配備計画が変更される可能性をはらんでいます。
将来の発展型の計画としては、KF-21には連携型無人戦闘機と組み合わせた運用や、ステルス性を高めたKF-21EX(以前は「ブロックIII」と呼称)の開発などを予定していますが、その実現のためには継続した研究開発が必須です。
これらを鑑みると、KF-21はまだまだ発展途上のプロジェクトであり、今後の量産機配備と「ブロックII」以降の進化がカギになっている模様です。
KF-21が真に「使える戦闘機」となるのか、その答えは今後5年ほどで出るでしょう。同機に韓国だけでなく世界からの注目が集まっています。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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