これで国道8号「県内ほぼ“4車線化or立体化”」実現! 市街地の“現道拡幅”まもなく完成 隣の区間は「まるで高速」そうならなかったワケ
石川県内の国道8号で対面通行区間となっていた「加賀拡幅」事業が、まもなく完成します。隣の区間は“ほぼ高速道路”の規格ですが、この区間が現道を拡幅することになったのには理由がありました。
住民参加で決まった「現道拡幅」
この区間の拡幅の構想自体は古く、計画線調査がはじまったのは1973年ですが、事業化されたのは2003年で、2007年に着工しています。
                
                その後、2010年には事業区間の松山交差点以東の2.0kmが開通し、小松バイパスと国道305号のスムーズな合流が実現。2016年から2017年にかけては加茂交差点付近以西の2.2kmが順次開通しています。
こうして工事が進んだ結果、残されたのは事業区間の中央、松山町から加茂町にかけての2.2kmとなっていました。しかし2025年10月現在、この区間の拡幅、舗装工事もほぼ終わり、供用を待つのみとなっています。
この加賀拡幅が事業化に至るまでは、けっして順調な滑り出しではありませんでした。一般的に沿道の商業へ影響があるとされる中央分離帯設置への反対など、さまざまな意見、要望が出されたといいます。
そこで全国ではじめて、住民と行政が一体となって計画を策定する「PI(パブリック・インポルブメント)方式」を採用、都市計画決定前の1999年度から2001年度にわたり、のべ1300人超が参加し、「現道拡幅案」のほか複数の「バイパス案」を含めた5案について検討を重ねることになりました。
その結果、まず「現国道の賑わいを活かしたみちづくり・まちづくりを行う」という方針にもとづき当初の5案から、「現道拡幅案」と、「近接バイパス案(山側案)」の2案に絞り込まれました。さらに「まちづくりの実現性」を重視し、最終的に「現道拡幅案」に決定したということです。結果的に、この区間は東側につながる小松バイパスのような“ほぼ高速道路”規格にはならなかったのです。





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