伝説の楽しいバイクが“子持ちししゃも”みたいなフォルムに!? スズキの「電動バンバン」このまま市販化? JMSで披露
「ジャパンモビリティショー2025」にスズキが往年のレジャーバイク「バンバン」の電動版「e-VanVan」を出品。なぜいま「バンバン」なのでしょうか。電動化には課題もありましたが、それはそれで“いい味”を出しています。
開発の悩みのタネは「大きすぎるバッテリー」
ここで逆に「e-VanVan」のコンセプトモデルを作る上で、最も苦労したところを聞いてみました。
「それはやっぱりバッテリーですね。現状のバッテリーはボディに対して大型で、どうしても重たい印象になってしまう。そのため、バッテリーの一部をスケルトンにしたりして、デザイン的な工夫を加えました。このバッテリーをタイトにできるかどうかは、今後の課題だとも思っています」(スズキブース担当者)
確かに、かつての「バンバン」シリーズを始め、ガソリン車のバイクに見慣れていると、この「e-VanVan」は、上から見ると“子持ちししゃも”のようなフォルムで、スーツケースを運んでいるようにも見えなくはありません。
しかし、筆者個人的には、この感じもまた「バンバンらしい」とも言えます。先代の「バンバン」がバルーンタイヤを履いていたこともあり、「太った印象」があるわけですが、それを思えば許容範囲だとも思いました。
また、さらにこのバッテリーには利点もありました。「e-VanVan」にまたがってみると、確かにフレームより左右にはみ出るほど大きいですが、ふくらはぎでバッテリーをグリップすることで安定したライドを図ることができそうです。
こういうモデルからEVバイク広がる?
「e-VanVan」、すごく欲しくなりましたが、残念なことに市販化の予定は全くないそうです。
「現時点ではあくまでもコンセプトモデルですが、スズキらしいEV版のファンバイクを発表できて良かったです。将来、市販されることがあれば、今回のコンセプトモデルそのままの仕様ではないと思いますが、さらに未来を見据えて、新しいバイクを開発していきたいと思っています」(スズキブース担当者)
電動バイクというと、今のところは実用面の優位性に注目が集まりがちですが、電動バイクの本格的な浸透を広める1台は、実は「e-VanVan」のような「遊び心溢れるファンバイク」なのかもしれないと思いました。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。




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