伝説の楽しいバイクが“子持ちししゃも”みたいなフォルムに!? スズキの「電動バンバン」このまま市販化? JMSで披露
「ジャパンモビリティショー2025」にスズキが往年のレジャーバイク「バンバン」の電動版「e-VanVan」を出品。なぜいま「バンバン」なのでしょうか。電動化には課題もありましたが、それはそれで“いい味”を出しています。
スズキの小型バイクの代表だった先代「バンバン」
2025年11月9日まで東京ビッグサイトで開催中の「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」でスズキが二輪・四輪とも多数のコンセプトモデルを出品しています。このうち二輪で特に注目を浴びたのが、「電動バンバン」こと「e-VanVan」。1971年に初登場し、レジャーバイクとしてヒットした先代「バンバン」の電動版です。
現地で話を聞くと、このコンセプトモデルを完成させるにあたり、様々なこだわりと苦労があったといいます。
「バンバン」シリーズは1971年リリースの「バンバン90」を皮切りに登場。同時代のレジャーバイク、ホンダ「ダックス」の対抗馬的な存在でした。
当時は前代未聞だった前後輪とも幅170ミリという太いタイヤは、「バルーンタイヤ」とも呼ばれ、悪路走行を可能としました。以降、50ccモデル、75ccモデル、125ccモデルなどもラインナップし、レジャーバイクブームを象徴する1台になりました。また、レジャーバイクブームが終焉し「バンバン」シリーズが生産終了になった後も、他社製のバイクに影響を与えたモデルでもあり、まさにスズキにとっての「小型バイクの代表作」の筆頭と言って良いでしょう。
そんな意味深い「バンバン」をEVで現代に昇華させたのが「e-VanVan」でした。
機構は同時出品された「e-Address」と同様のものを採用する一方、いかにも「バンバンらしい」スタイルを貫いています。ハンドルとシートにはフレームのみが通り、シートは大型、ハンドルは幅広めのトラッカー風でもあり、仮に悪路を走行した場合でも衝撃を軽減する安定感に期待できそうです。
「まず、先進性とクラシカルさを融合させていますが、特にこだわったのがかつての『バンバン』が持っていた『遊び心』。乗る楽しさ、操るワクワクする感じをEVでも表現したいと思いました。そのため、ボディのグラフィックも一昔前のゲームなどを連想させるようなクラシカルなものとしました」(スズキブース担当者)
それでいて、足回りなどは前後輪とも重厚なディスクブレーキが採用されていたり、過不足のない近来的なデザインの灯火類も装備していたりと、かつての「バンバン」にはなかった新しさも感じます。
「そこは開発側がこだわったところですね。自分たちがまず楽しんでいるという(笑)。でも、ファンバイクって作る側も楽しんだモデルが、結果的にユーザーの方にも伝わるような気もします」(スズキブース担当者)




コメント