「2年という期間はあまりにも短い」 ANA系「コスパ最強航空」なぜ短命に? 「乗れば分かる良さ」を活かし切れなかった“苦渋の決断”の要因

「事業性を見るには2年という期間はあまりにも短い」―。ANAグループの航空会社「AirJapan」が運航開始からわずか2年で運航休止となりました。にもかかわらず、なぜ休止という結果になったのでしょうか。

運航開始2年で休止…なぜ?

 とりわけ大きいのが、787型機の受領遅れやエンジン部品の供給不足により、稼働機材数が制約を受けていることです。現在3機体制(うち1機は改修中)で運航していますが、芝田社長は「安定的な運航や事業拡大を目指すには4機、5機と機材を増やす必要があるが、限られたリソースの中では難しいと判断した」と説明。「グループ全体の利益を最大化するためには、3機での運航を継続するより、一旦休止してリソースをANAブランドに集中した方が良いと判断した」としています。

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左がANAホールディングスの芝田浩二社長(乗りものニュース編集部撮影)。

 芝田社長は3機の今後について「どういう使い方があるか、まだ半年ありますのでしっかりと検証はしていきたい」としながらも、「個人的には非常に快適なキャビンだと思っていますが、これをそのままANAブランドの中で使うかというと、他の機材とのコモナリティ(共通性)の問題が出てきますので、なかなか難しいなというのが正直なところです」と述べました。

 また、ロシア上空の回避が長期化していることによる運航効率の低下や、長距離国際線の高収益傾向が続く見通しであることも、ブランド見直しの背景にあります。

 さらに筆者の見立てでは、その「乗って分かる良さ」をわかりやすく訴求できなかったことも一因と考えられます。就航地はいずれも需要が底堅い一方でフルサービスキャリアはもちろん、格安航空券の比較サイトでは他社LCCがより安い運賃を出してくる状況などもあるなかで、特徴を打ち出すことは非常に難しいです。

 こうなると、たとえば、挑戦的でかつポテンシャルのある就航地を設定するなどで、「Airjapanを使うことでしかオトクに旅ができない」ような選択肢を旅行者に提示する必要があるでしょう。もちろん、当然そのプランは選択肢のひとつとして考えていたでしょうが、「そもそも飛行機が足りない」状況であれば、その実現もできません。休止の選択肢は、まさに“苦渋の決断”だったということができそうです。

 なお、運航会社エアージャパンは現在、ANAブランド便を約8割、AirJapan便を約2割の割合で担当しています。AirJapan休止後は、ブランド立ち上げ以前と同様にANAブランドの国際線運航を担う予定です。

【写真】えっ…これが「AirJapan」超快適なエコノミークラスです

Writer:

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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