新戦闘機の共同開発が“空中分解”寸前か 仏「単独でやれる」 独「年内に合意なければ離脱」 いちばん困る国はどこだ?
ドイツがフランス、スペインと共同開発中の次期戦闘機「FCAS」から離脱する可能性が報じられました。開発の主導権争いが原因とされますが、もし計画が空中分解した場合、ドイツにはどのような選択肢があるのでしょうか。
GCAPに合流する…?
前に述べたように、イギリスはGCAPを通じてイタリア、日本と新戦闘機の共同開発を進めていますが、ポリティコはその計画にドイツが参加する可能性があるとしています。もちろんイギリスの独自開発ではないので、アメリカからF-47を購入するか、GCAPへの参加、またはGCAPを購入するかのいずれかを選択しない限り、ドイツは次世代戦闘機を手にすることはできません。
アメリカのドナルド・トランプ大統領はF-47を輸出すると述べていますが、ドイツにはエアバスをはじめとする多くの航空防衛産業があります。F-47のドイツでの生産が認められない限り、ドイツは産業保護の観点からF-47の導入には踏み切れないのではないかと思います。
ヨーロッパの一部には、FCASとGCAPを統合すべきとの声もありますが、エアバスの防衛部門であるエアバス・ディフェンス・アンド・スペースのマイケル・ショホローンCEOは、2025年5月に東京で行った会見の席上、それは現実的でないとしています。既に開発計画が進行しているGCAPに、ドイツが今から参加することは難しいと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
また、一部の海外メディアはドイツがGCAPで開発される新戦闘機を購入し、ドイツ空軍向けの機体をドイツ国内で生産するのではないかと報じています。この方法ならばGCAP計画に混乱を招くことなく、ドイツ国内の雇用を確保できますし、エアバスがFCAS向けに研究開発を進めていたUASの技術を取り込める可能性も生じますので、この方法ならば実現の可能性はあると筆者は思います。





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