バスの手すり「オレンジ」は“絶対ルール”! じゃあ座席が「青い」理由は? 国が決めた意外なワケ
最近、SNSで「バスの手すりがオレンジ色」の理由が話題となりました。実はこれ、国の制度で定められた色です。では、同じく車内で目立つ「青いシート」もルールで決まっているのでしょうか。
なぜ手すりは「オレンジ色」? 国が“義務”と定めたワケ
最近、SNSなどで「路線バスの手すりや降車ボタンがオレンジ色なのはなぜか」という点が話題になりました。確かに、多くのバスで目にするこの配色は視認性が高いように感じられます。
「オレンジ色」の手すりについては、国土交通省が2004年に創設した「標準仕様ノンステップバス認定制度」(2015年一部改正)の要領で明確に指定されています。
「高齢者および色覚障害者でも見えるよう、縦握り棒(手すり)や押しボタンなど明示すべき部分には、朱色または黄赤を用いる」と定められている理由は、日本人男性の約5%(約20人に1人)が色覚障害(色弱)を持つとされているためです。
特に赤と緑の区別がつきにくい人が多いといいます。そのため安全上重要で瞬時に認識する必要がある手すりやボタンには、色覚の多様性にかかわらず認識しやすい「朱色または黄赤」(オレンジ色)が採用されているのです。
では、同じく車内で大きな面積を占める「青いシート」も国が定めたルールなのでしょうか。
結論からいうと、国土交通省の認定制度や関連ガイドラインにおいて座席の色を「青」に統一するよう直接的に義務付けた規定は存在しません。
座席に関して制度として定められているのは、特定の色ではなく「明度差(コントラスト)」です。現行の認定要領でも、「天井、床、壁面など背景となる部分は座席(中略)などに対して十分な明度差をつける」と明記されています。
2001年に策定された既存ノンステップバスの標準仕様では、車内の壁面(腰板)は「クリーム色またはグレー色」、天井は「クリーム色」とされています。これらの明るい背景色に対して、座席の位置をはっきり認識させるためには、濃い色の採用が合理的です。





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