飛べる零戦、国内保存の道は? 日本人オーナーに聞く、「里帰り」の目指すところ

旧帝国海軍の「零式艦上戦闘機」。飛行可能状態で現存するうちの1機は、日本人がオーナーです。現在アメリカで保管されている同機について、オーナーが国内での動態保存を目指す理由やその意義、そして「現状」と「将来」について話を聞きました。

日本人所有の零戦、国内公開もままならず?

 2017年春、日本国内において旧海軍の戦闘機「零戦」の飛行展示が一般公開されます。

 これに使用される機体は、ゼロエンタープライズ・ジャパン社の取締役、石塚政秀さん個人が所有する、現在アメリカで保管されているもので、同社はこの機体の日本への里帰りと国内での永年動態保存(飛行できる状態での保存)を目指しています。その石塚さんによると、2017年春ごろに最初の飛行展示を実施したのち、同年内におよそ10回程度、公開飛行の実施を目指す方針だそうです。

 同機体は2014年9月に日本国内へ持ち込まれたものの、金銭的、法的、そして安保法制に関連する政治的な問題からなかなか飛行を実施できず、今年2016年1月27日、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県)において、ようやく国内初飛行を実現しました。

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石塚さんが所有する零戦。1970年代にパプアニューギニアで発見され、そののち設計図を元にロシアで忠実にレストアしたもの(写真出典:ゼロエンタープライズ・ジャパン)。

 そして同年4月には鹿児島県内ならびに同県鹿屋市のイベント「エアーメモリアルinかのや」にて、最初の一般公開飛行を実施する予定でしたが、直前に発生した熊本地震によって開催中止。さらに翌5月には、千葉県において行われた「レッドブルエアレース千葉」での展示飛行を予定していましたが、アメリカより招へいしたパイロットが高齢ゆえの持病から、鹿児島より関東への回送飛行中に体調が悪化、同イベントへの参加はできませんでした。

 結局、零戦は2016年1月と4月の試験飛行、ならびに関東へ向けた自力回送という、非公開での飛行こそ実施したものの、不運続きから一度も一般公開飛行がなされないという非常に残念な結果に終わりました。現在は分解され、アメリカのチノ飛行場(カリフォルニア州)に移されており、この地で日本人パイロットの養成を行ったのちに来年、あらためて里帰りを目指す予定です。

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コメント

2件のコメント

  1. 岡山でフェリー中止になったのはパイロットの体調不良だったのですね。残念です。一般からの寄付金には限りがあるでしょうね。大企業からのサポートは必須。しかし、何故尻込みしてしまうのか?誰が考えても三菱重工が真っ先に手を挙げていい様に思えるのですが。哀しい現実ですね。個人としては僅かなご寄付をしていくしか有りません。石塚さんの不屈の精神に感謝。

  2. メーカーが管理しない限り零戦の維持費はいずれ尽きるでしょうから、維持費が尽きる前にアメリカの第二次大戦機を整備できる施設に売ってください。四式戦の二の舞は御免です。