こ、これが無料…? 島の丘に立つ「やけに立派な展望台」360度ガラス張りの絶景! お金かかってそうなのに「ご自由にどうぞ」のワケ

世界自然遺産・奄美大島にある立派な展望台は、周辺施設が入場料を徴収するなか、なぜか無料です。背景を探ると納得の理由がありました。

大盤振る舞い!その背景とは…

「一村の杜」のハイビスカスやサンダンカ、ランタナなどの花を眺めながら奄美パークの北東にある丘に上がると、展望台がそびえています。ふもとからエレベーターに乗り、高さ約30mの展望台に着きました。

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奄美パークの展望台(大塚圭一郎撮影)

 長方形のフロアは360度のガラス張りで眺望は抜群。東側にはコバルトブルー色の海を一望できます。北側には奄美空港の現在の管制塔があり、羽田空港とつなぐJAL(日本航空)の小型ジェット機ボーイング737-800型機や、JAL傘下のJAC(日本エアコミューター)が鹿児島空港と結ぶプロペラ機ATR42-600型機などが飛ぶ様子を眺められます。奄美パークのスタッフは「天気のいい日には喜界島が見えることもあります」と教えてくれました。

 奄美諸島の代表的な島である奄美大島の情報発信拠点だけに、奄美パークが立派な施設なのはもちろん理解できます。ただ、見学専用の展望台ならば建設に要した投資を回収するためにも、有料にしても良い気がします。

 どうして「入場無料」という大盤振る舞いをしているのかといえば、この展望台はかつての“空港施設”を転用したものだからです。

 奄美パークは1964年から1988年までは奄美空港があった場所で、展望台は当時の管制塔でした。現在の奄美空港へ移転後は管制塔としての役割を終え、観光客の見学用へと用途を変えたのです。

 展望台の近くには細長い舗装があり、これは当時使われていた滑走路です。長さ1240mと短く、主にプロペラ機が運航していました。1988年に現在の場所へ移転後、奄美空港の滑走路は長さ2000mに延伸されたためジェット機も運航できるようになりました。

 周囲の景色を楽しむのはもちろんですが、空港があった頃の管制官が航空機と交信する様子を頭に浮かべながら“空中散歩”気分を味わうのも一興かもしれません。

【上から見たらわかる!】これが無料展望台の「正体」です!(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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