日本の自衛隊に「騎兵」はいないが“緑色の馬”を駆る部隊が存在する そのユニークな役割とは?

陸上自衛隊に騎兵部隊はありませんが、即応性や偵察能力といった伝統を受け継ぎ、現代の“騎兵”とも呼べる部隊が存在します。第7偵察隊です。

現代の騎兵と呼べる部隊とは?

 2026年は午年です。陸上自衛隊には、かつてのように軍馬を用いる騎兵こそ存在しませんが、その即応性や偵察能力といった伝統を受け継ぎ、現代の“騎兵”とも呼べる部隊が存在します。第7偵察隊です。

Large 20260102 01

拡大画像

第7偵察隊の90式戦車(画像:第7偵察隊)

 第7偵察隊は、北海道に駐屯する陸上自衛隊第7師団の隷下にある、日本で唯一戦車を装備した偵察隊です。隊のエンブレムは緑色の馬で、古代から近世にかけて花形であった騎兵を意識したデザインとなっています。

「偵察部隊」と聞くと、闇夜に紛れて敵をこっそり確認したり、草木に隠れて接近し情報を収集したりする姿を思い浮かべるかもしれません。確かにそれも偵察部隊の重要な任務ですが、同隊は部隊を展開して小規模な攻撃を仕掛け、相手の反撃を誘発させ、その攻撃力や攻撃方法から敵の規模や戦力を判別する「威力偵察」を得意とする部隊でもあります。

 1956年、陸上自衛隊発足から2年後に第7混成団隷下として誕生した第7偵察中隊が、現在の第7偵察隊の前身です。発足直後からアメリカ軍より供与されたM24軽戦車、M41軽戦車を装備し、後には74式戦車や60式自走106mm無反動砲、60式自走81mm迫撃砲など、偵察部隊としては異例の強力な火力を有していた点が特徴です。

 現在の第7偵察隊も、偵察用オートバイや87式偵察警戒車といった基本装備に加え、90式戦車や81mm迫撃砲といった強大な火力を備えています。

 なぜ第7偵察隊がこのような強力な火力を持つのでしょうか。その理由は部隊の配備地域と師団の性格にあります。同隊を隷下に置く第7師団は、「陸上自衛隊唯一の機甲師団」と呼ばれています。

 第7師団には3個の戦車連隊があり、約200両もの戦車が集中的に配備されています。戦車連隊を中心に行動するため、普通科部隊や特科部隊の多くも機甲化・自動車化されており、彼らと行動をともにする第7偵察隊も例外ではありません。

 このように師団全体で機動力を揃えることで、一丸となった行動が可能となり、迅速な部隊展開につながっているのです。

【画像】スゴい技術だ! これが、第7偵察隊のバイク隊員です

最新記事

コメント