「日本一着陸が難しい空港」なぜ? 実際に乗ったら「おっ、違うぞ…!」 ランクは「世界のANA就航空港のなかで最難」

「日本一着陸が難しい空港」として航空ファンに広く知られているのが、伊豆諸島にある「八丈島空港」です。では、実際にどのような点が難しく、利用してみるとどうなのでしょうか。

高度、速度、そして着陸も独特だった

 まず、八丈島は東京都心から南へ約300kmの距離に位置します。この距離ゆえに飛行時間が短く、出発前には「ベルトサインが消えている時間は10分」と案内されました。この日は午前7時40分に離陸し、7時54分にベルトサインが消灯。ドリンクもカート提供を控え、CA(客室乗務員)が希望者にお盆で手渡すスタイルがとられていました。

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ANA「羽田~八丈島線」搭乗の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 また、飛行高度や巡航速度も一般的な便とは大きく異なりました。通常、ジェット旅客機は高度1万m、時速830km(この日の便で使用されたANAのボーイング737-800の公式スペックによる)ほどで巡航します。しかし、航空機追跡サイト「フライトレーダー24」を参照すると、この便の巡航高度は約2680m(8800フィート)、速度は時速533km(288ノット)を記録。パイロットからも「気流の影響でこの高度を選んだ」とアナウンスがあり、通常でも低空・低速で飛ぶ傾向があるようです。

 ベルトサインの再点灯は8時3分、着陸は8時20分。関係者が口を揃える気流の影響も多少感じられ、客席からでもパイロットが細かく操舵している様子が伝わってきました。

 なお、これほど難易度が高いとされる八丈島空港ですが、ANAではこれまで着陸失敗による事故は発生していません。これは同空港に乗り入れるパイロットや航空会社、そして受け入れる空港側の、長年にわたる経験と高い技術の賜物といえるでしょう。

【写真】これが「日本一着陸が難しい空港への旅」の様子です

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