進化が止まらない!「韓国兵器の稼ぎ頭K9自走砲」乗員ゼロの“仰天計画”も 完全ロボット化いったいどうなる?
韓国のハンファ・エアロスペース社が生産しているK9自走砲は、世界の自走砲市場で最大のシェアを握る傑作兵器となっています。ただ登場から25年以上が経過しているため、新型の開発も進んでいる模様です。メーカーを直撃しました。
K9の未来は榴弾砲の無人化
加えて、さらなる改良型であるK9A3というモデルも計画されています。このタイプは、A2型で削減された乗員数をさらに減らして、たった1名の運転手のみか、もしくは車両を完全な自律制御にして無人自走砲として運用することを目指しています。
自走砲としての射撃操作は別に開発されるK11射撃管制車がリモートで行い、3両のK9A3を1両のK11で制御して部隊として行動することを想定しています。
自走砲の自動化はスウェーデン、ドイツ、イスラエルなどでも進められていますが、完全無人化は世界中を見わたしてみてもまだ実用化されておらず、技術的に大きなチャレンジだといえます。ハンファ・エアロスペース社もA3型は研究段階であり、開発のスケジュールは未定と説明していました。
ただ、射撃管制のリモート化はA2型として開発が進められており、車両の自律制御による無人化も別のUGV(無人車両)の開発によってノウハウを得ているため、A3型に必要な技術の下地はすでにあるといえるでしょう。
K9自走砲で何よりも注目すべき点は、好調な輸出によって生産が続くことで、メーカー側も技術者や資金を継続して投入することができ、このような改良型や派生型の開発を続けられる点にあります。
大量生産によって維持される技術基盤が、A2型やA3型といった次世代モデルへのステップアップを可能にしているのです。継続して新技術を投入できる点にこそ、K9プログラムの本質的な価値はあるといえるのではないでしょうか。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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