“南米の大国”約10年ぶりの超音速戦闘機が空を飛ぶ なぜ長期間の“空白”が生まれたのか?
アルゼンチン空軍は2025年12月7日、受領したばかりのF-16「ファイティング・ファルコン」による式典飛行の映像を公開しました。
6機のF-16が首都上空を飛んだ!
アルゼンチン空軍は2025年12月7日、受領したばかりのF-16「ファイティング・ファルコン」による式典飛行の映像を公開しました。
この式典は、12月6日に6機のF-16戦闘機を受領した際に実施されたもので、リオIV空軍基地に到着したF-16は首都ブエノスアイレス市街地上空を飛行し、市民に新戦闘機の配備をアピールしました。
今回アルゼンチン空軍が受領した機体は、デンマーク空軍で退役した中古機6機です。ブロック15をベースとする古い機体ではありますが、デンマークの防衛・航空宇宙企業テルマが改修を担当しており、最新型であるF-16V(ブロック70)に近いセンサー、ミッションシステム、電子戦能力を備えるよう近代化が施されたといわれています。
アルゼンチン空軍は2015年にダッソー「ミラージュIII」を退役させて以来、超音速機を保有していませんでしたが、今回のF-16配備により約10年ぶりにその状態が解消されました。
本来であれば早期に代替機を選定する計画が立てられていましたが、経済的な不調が長期にわたり続いたことに加え、1982年のフォークランド紛争の影響から、マーチンベーカー製射出座席をはじめとするイギリス製防衛装備の輸入規制が現在も続いているなど、様々な事情が重なり、新たな戦闘機の確保が難しい状況に置かれていました。そのような中、2024年4月になってようやくアメリカの許可を得て、デンマークのF-16を中古購入する方針が正式に決定しました。
この件に関して、ハビエル・ミレイ大統領も「長い時間を待ち、ようやく最初の6機のF-16戦闘機を手に入れた」とコメントしています。
なお、アルゼンチンはデンマーク政府と計24機のF-16を購入する契約を結んでおり、今後順次追加の機体が配備される予定です。第2陣となる6機は2026年末に配備される見込みです。





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