運転手の給料アップでもバス減便なぜ!?「初任給30万円」でも解決しない “2024年問題”の意外な正体

「最近バスが減った」と感じていませんか。実は今、運転手の給料は上がっているのに、バスの本数は減るという不思議な現象が起きています。その背景には、働く人を守るための「ある決まり」がありました。

ベテランが「もっと走らせて」と言えない法律の壁

 ベテラン運転手のなかには「昔はもっと走って稼げたのに、今は規制で走れない」という声もあります。

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両備バス(画像:写真AC)

 これは会社側が基本給を上げても、残業時間が強制的に減らされるため、トータルの手取りが増えない、あるいは逆に減ってしまうケースもあるからです。

 ひるがえって会社側にとっても頭の痛い問題のようです。1人の運転手が走れる時間が短くなったぶん、今までどおりのダイヤを維持しようとするならば、より多くの運転手が必要になります。

 しかし、ただでさえなり手不足のなか、人数を増やすのは至難の業。結果として、「バスを減らす」という選択肢しか残されていないのが実情なのです。

 こうした状況を打破するため、バス会社もあの手この手で運転手のルールを緩和し、人材確保に動いています。

 たとえば、岡山県の両備バスやJR九州バスをはじめいくつかのバス会社では、かつて接客業としては不適切、失礼にあたると敬遠されがちだったサングラスの着用を公式に解禁しました。西日の眩しさによる疲労を軽減し、事故を防ぐための合理的な判断です。

 いっぽうで、私たち利用者にとっては「安さの終了」という痛みも伴います。静岡市の静鉄バスでは、名物だった100円バス区間が2024年10月に150円へ値上げされました。各地のバス会社で運賃値上げはやむを得ない状況になっています。

 この値上げは、運転手の待遇改善や路線維持のための原資を確保するためのもので仕方がありません。

 バスが来ないのは確かに不便ですが、それは裏を返せば、運転手が長時間労働から解放され、人間らしい生活を取り戻している証左でもあります。私たちが支払う運賃や待ち時間は、安全な運行を支えるための必要経費と言えるのかもしれません。

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