「原付免許なんて誰でもすぐ取れるだろ」→今は全く違う!? 「非常に難しい」と批判も エントリー免許に一体何が起こっているのか?

運転免許なかでも“エントリー免許”といえる原付免許の取得が、一部で難しくなっています。ひと昔前は即日取得でき「誰でも取れる」イメージのあったものですが、変化の背景には社会課題が大きくのしかかっていました。

原付講習は「合否に関係なく、いつでも」警察庁が改めて周知

 16歳になれば取れる原付免許は、すべての運転免許証の入口として、基本的で簡単に取得できる制度で運用されています。その昔は学科試験に合格すれば即日交付でした。ところが、この原付免許の取得が非常に難しい、という批判が起きています。

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原付通学を認めている高校の通学風景。免許取得が円滑にできないと死活問題になることもある(画像:日本自動車工業会)

 運転免許証の取得では、道路交通法令の理解度を測る学科試験と、実際の運転方法を学ぶ実技講習があります。原付免許も例外ではなく、学科に合格しても、実技講習としての「原付講習」を受講済みであることが免許交付の条件になっています。ただ、講習には合否判定はありません。問題は、この原付講習の受講タイミングです。

 免許制度の理想は、都道府県警察が運営する運転免許試験場や運転免許センターで午前中の学科試験に合格し、同日、学科試験と同じ場所で原付講習を受講している間に、免許証が作成されて、受講後に免許を受け取る流れです。運転免許試験場で原付講習が実施される場所では、こうした流れができています。そのため講習をいつ受けるべきかという疑問はありません。

 ところが、人口減少とともに取得希望者が減少し、免許制度維持の効率化のために原付講習を“外注化”している地域では、この理想の形を取ることができず、希望者自身が講習を受けられる場所(自動車教習所など)を探さなければなりません。

 例えば、北海道警本部のウェブサイト「原付免許試験案内」には、はっきりとこう書かれています。

《札幌運転免許試験場で原付免許の交付を受けるためには、事前に原付講習の受講が必要です》

 原付免許の取得に対して、北海道では学科試験の受験前に講習をすませておく必要があります。

 結論を急ぐと、これは道路交通法上では正しくない状態です。警察庁運転免許課は、2026年11月26日に開催された「公明党オートバイ議員懇話会」で次のように話しました。

「原付講習は試験の前後や合否にかかわらず受講することができますので、それについての広報をより積極的に行っているというところです。警察庁は、引き続きこれらの取り組みを進めまして、原付免許、二輪免許の取得が円滑に行われるように努めてまいりたい」

【え…!】これが今の「原付免許」の流れと価格です!(画像)

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