「ゆりかもめ」はなぜ“新橋”起点? そもそもなぜ“無人”? コミケと“運命共同体”と呼べる、そのヒミツ

東京の都心と臨海副都心を結ぶ新交通システムが「ゆりかもめ」です。レインボーブリッジを経由し、お台場や有明へのアクセス路線として機能していますが、どのような経緯で整備されたのでしょうか。

ゆりかもめは4案のうち新橋起点に決定

 ルートは「臨海副都心が有効に機能しうるルートであること」「既に事業化している竹芝・日の出・芝浦ふ頭再開発計画に寄与し、整合性及び連携が図れるルートであること」「輸送需要や採算性を満たすルートであること」「できるだけ道路、運河、臨港鉄道敷などの公共空間を活用し、導入空間の容易なルートであること」を基本的な考え方として検討されました。

 都心側のターミナルは新橋(計画延長9.5km)、浜松町(7.9km)、田町(6.6km)、品川(7.8km)の4案が検討されますが、先行して事業化していた芝浦とお台場・有明を結ぶ東京港連絡橋(レインボーブリッジ)に併設できること、汐留地区再開発、竹芝・日の出・芝浦を経由できることから、国鉄(現・JR)新橋駅東口を起点とする新橋ルートに決定します。

 システムは新交通システム、跨座式モノレール、懸垂モノレール、後の大江戸線のような鉄輪式リニアを中心に比較検討しました。しかし、モノレールは連絡橋での導入区間確保が困難であり、乗客の緊急時避難用通路を別途整備する必要があったほか、鉄輪式リニアはまだ導入実績がありませんでした。

 一方、新交通システムは神戸新交通ポートアイランド線(1981年開業)、大阪市交通局(現大阪メトロ)南港ポートタウン線(1981年開業)、埼玉新都市交通伊奈線(1983年開業)などの実績があり、ポートアイランド線は開業時から無人運転を行っています。ゆりかもめも同様に無人運転や駅の無人化・省人化を実施して効率的な経営を目指すとして新交通システムの採用が決定しました。

 新交通システムは当時、地下鉄やモノレールと比較して建設費・営業費が安価な、理想的な次世代交通として注目されていたことから、委員会の検討が新交通システムの導入ありきだった感は否めません。

 同路線は2023年度に4572万人、1日あたり約12.5万人が利用しています。最も利用者が多かったのは、コミックマーケット94と東京花火大祭が開催された2018(平成30)年8月11日の約28.9万人。こうした需要変動に対して柔軟に増発が可能なのも、新交通システムを導入した効果といえるでしょう。

 ゆりかもめの2023年度決算は営業収益約207億円に対し、営業利益は約27億円、純利益は22億円を計上しています。長期借入金はわずか約64億円まで減少しており、自己資本比率も64%という超優良企業です。

 ゆりかもめは2007(平成19)年に東京都が出資する第3セクター「東京臨海ホールディングス」の子会社となり、東京ビッグサイトも2009(平成21)年にグループ入りしています。臨海副都心のさらなるにぎわいに向けて、両社は今後も手を携えて取り組んでいきます。

【運転台が!】有人運転中の「ゆりかもめ」を見る(写真)

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