海自の上陸艇「そろそろ替えません?」 英老舗メーカーが新型を“積極提案” 独占インタビューで幹部が語った「日本が受ける恩恵」

能登半島地震でも大活躍した海上自衛隊の「LCAC」。しかし、現在その運用体制に大きな問題が生じているとか。そこで、その後継装備にイギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーン製の最新ホバークラフトが名乗りを上げています。

能登でも活躍した海自LCAC 後継はどうする?

 2024年1月1日、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震、いわゆる能登半島地震が発生しました。自衛隊にも災害派遣が命じられ、同年9月1日までの8か月間にわたり、延べ114万人の自衛隊員が被災地へと派遣されました。

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海上自衛隊が運用するLCAC(画像:海上自衛隊)。

 災害派遣部隊を苦しめたのが、能登半島における道路の寸断です。これにより、人員や車両を陸路で投入することが困難になってしまいました。そこで、大きな活躍を見せたのが、海上自衛隊のエアクッション艇1号型ことLCACです。LCACは、戦車を含む車両や人員を沖合の艦艇から海岸へと素早く上陸させることができる装備で、海上自衛隊では6隻を運用しています。被災地では、まさにその優れた性能を活かし、自衛隊だけではなく民間企業の重機や電気通信会社の車両なども輸送しました。

 しかし、LCACはすでに運用開始から20年以上経過しており、艦齢延伸改修を行っているとはいえ、後継装備の必要性が高まりつつあります。そこで、日本に売り込みをかけてきているのが、イギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーン(Griffon Marine)です。同社は、自社開発のホバークラフトである「ワイバーン(Wyvern)」を日本向けに提案しています。これに関して、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)はワイバーンのチーフエンジニアを務めるケイレン・シルヴァ氏にインタビューする機会を得ました。

 まずは、ワイバーンの性能についてです。シルヴァ氏の説明によると、ワイバーンは現在海上自衛隊が運用しているLCACとほぼ同等の能力を有しているようです。

「ワイバーンは、艦艇から陸岸への輸送任務を主目的として設計されています。50トンの搭載能力に加え、25名の部隊員を搭載することが可能で、巡航速度は50ノット、一度の任務で約200海里の行動が可能です。操舵室には最新のグラスブリッジ・システムが採用されており、船体すべての制御系統およびセンサー情報が統合されています。これにより、少人数の乗員でも、必要な情報の把握と操船を一か所で行うことができます。

 世界各国の多数の運用者から寄せられた多様な要求や運用経験、ならびに当社独自の研究開発の成果により、当社はこの種の艦艇に最適化されたヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を設計することが可能となっています。これにより、操縦者のストレスや作業負荷が大幅に軽減されます。

 また、ワイバーン向けに新しいスカート(船体下部のエアクッション用側壁)を開発しており、整備負担を増やすことなく性能向上を実現しています。さらに、当社は特許取得済みのリフトファン・システムを導入しており、容積およびスペース効率の面で非常に優れています。これにより、ワイバーンは左右1基ずつ、計2基のリフトファンのみで運用可能となり、駆動系の構成が簡素化されるため、整備性も向上しています」

【将来日本で見られるかも】DSEI Japan2025に展示された「ワイバーン」の模型を写真で(画像)

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