海自の上陸艇「そろそろ替えません?」 英老舗メーカーが新型を“積極提案” 独占インタビューで幹部が語った「日本が受ける恩恵」

能登半島地震でも大活躍した海上自衛隊の「LCAC」。しかし、現在その運用体制に大きな問題が生じているとか。そこで、その後継装備にイギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーン製の最新ホバークラフトが名乗りを上げています。

日本企業の参画だけじゃない!まさに 至れり尽くせりな将来構想とは

 さらに、ワイバーンに関しては日本製部品の統合も含め、日本企業との協力によるサプライチェーンや整備基盤の確立が可能であると、シルヴァ氏は明言します。

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グリフォン・マリンが海上自衛隊に提案する新型の輸送用ホバークラフト「ワイバーン」のイメージCG(画像:グリフォン・マリン)。

「海上自衛隊とのあらゆる将来的なプログラムにおいて、日本企業との協力はごく自然な要素になると考えています。日本は強固な産業基盤を有しており、通信・航法システムからポンプ、照明装置に至るまで、国産部品をワイバーンに統合できる可能性があると見ています。エンジンやプロペラといった大型機器については海外製となりますが、これらについても日本国内での支援体制を確保することが可能です。その結果、ワイバーンには日本製部品を相当な割合で組み込むことができるでしょう。

 すでに、日本国内のサプライヤーから部品を調達する可能性について検討を開始しており、これにより、海外サプライチェーンに依存することなく、日本国内で将来的な支援を確保することが可能になると考えています。当社としては、船のライフサイクル全体にわたる支援を行うというコミットメントを揺るぎなく維持します。当社チームは、これまで複数回にわたり日本企業への接触・訪問を重ねており、この分野における実質的な協力機会があると認識しています」

 もし、ワイバーンに関してこのような日本企業の参画が実現すれば、海上自衛隊のLCACに関して課題とされている維持整備やサプライチェーンの問題は、クリアされることなるでしょう。さらに、グリフォンマリーンでは海上自衛隊導入後の乗員教育に関しても、すでに方法論を確立しているとシルヴァ氏は説明します。

「教育訓練については、イギリスでの訓練課程と、日本国内での実地訓練を組み合わせた形を想定しています。これは、すでに大分県に納入した3隻の民間向けホバークラフト(大分市街と大分空港を海路で結ぶ大分第一ホーバードライブ運航の『ホーバークラフト』)で成功裏に実施した実績があり、このモデルが有効であることを確認しています。さらに日本国内では、現地教官による長期的な教育を提供するため、ローカルな訓練学校を設立する可能性もあります。

 これは、当社のホバークラフトを運用する他国において、すでに成功を収めている取り組みです。目的は、運用者および整備員が運用開始初日から十分な自信を持ち、必要なときにいつでも国内で支援を受けられる体制を構築することです」

 災害派遣のみならず、現在急速にその必要性が高まりつつある南西諸島防衛においても、LCACの担う役割は非常に重大です。したがって、その後継選定は可及的速やかに行われる必要があると、筆者は思います。さらに、昨今の日英関係強化の文脈も併せ考えると、このイギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーンの提案は、非常に魅力的であると言えます。

【将来日本で見られるかも】DSEI Japan2025に展示された「ワイバーン」の模型を写真で(画像)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

1件のコメント

  1. 米軍需産業からの部品供給の遅れが深刻化している現状を考えると、国内防衛産業育成の観点からもイギリスの提案は非常に魅力的だと思います。