マッハ19の「爆速サンタ」イカれたスピード! 人類は迎撃不可能!? 実は「日本なら可能」かもしれないワケ

フライトレーダー24に、驚異の「マッハ19」という速度で飛翔するサンタクロースのデータが表示され、話題となっています。もし、これを実在の兵器で迎撃しようとする場合、どのような手段が考えられるのでしょうか?じつはそのカギを日本が握っているようです。

SM-3ですら迎撃不可能! そんな人類の切り札とは

 しかし、このSM-3による迎撃には問題があります。まず、弾道ミサイルの場合、一度発射されてミサイルから弾頭が分離されると、弾頭は目標に向かって単純な楕円軌道を描いて飛翔していきます。つまり、弾頭が切り離されても、しっかりとレーダーなどで追尾さえできていれば、それ以降は「いつどこを通るか」という弾道の予測ができるわけです。従って、迎撃ミサイルをその地点へ誘導すれば、見事命中するということになります。

Large 20251225 01
日米共同開発の新型迎撃ミサイルGPI(画像:ノースロップグラマン)。

 ところがサンタクロースは、上空を自在に移動しながら目的地へと飛翔していくため、弾道ミサイルと比べて飛翔経路の計算と把握が困難となります。さらに、大気圏外を飛翔してくる弾道ミサイルと比べると、サンタクロースは大気圏内の比較的低高度を飛翔します。じつは、SM-3には最低射高、つまりそれ以上低い高度を飛んでいる目標は迎撃できないラインがあり、それが約70kmとされています。そのため、サンタクロースに対してSM-3では対応が困難なのです。

 それでは、一体どのような兵器であれば、このような低高度を超高速で飛翔するサンタクロースに対抗することが出来るのでしょうか。じつは、それが可能かもしれない新型ミサイルを、現在日本とアメリカが共同開発しています。それが、「グライドフェーズインターセプター(GPI)」です。

 GPIは、近年その脅威が高まりつつある 極超音速兵器 (マッハ5以上で飛翔する兵器)に対処するための迎撃ミサイルです。極超音速兵器には、発射後しばらくは弾道ミサイルと同様に上昇していき、その後切り離された弾頭が大気上層部をグライダーのように滑空して飛翔する「 極超音速滑空兵器(HGV)」と、 ラムジェットもしくはスクラムジェットという特殊な構造のエンジンにより巡航する「極超音速巡航ミサイル」という、2つのタイプがあります。

 GPIは、おもにHGVへの対処を念頭に起きつつ、極超音速巡航ミサイルの迎撃も視野に入れた迎撃ミサイルです。名前に「グライドフェーズ(滑空段階)」とあるように、目標が滑空しているところを、キルヴィークルによる直撃破壊で迎撃することを目指しています。イージス艦に搭載して運用される予定で、アメリカではノースロップ・グラマン社、日本では三菱重工が中心となって開発を進めており、2030年代の開発完了を目指しています。

 このGPIは、キルヴィークルに姿勢制御用のサイドスラスターに加え、操舵翼も有しています。これにより、SM-3のそれとは異なり、大気圏内であっても軌道が変化する目標を正確に捉え、迎撃を行うことが出来るわけです。これならば、大気圏内を高速かつ自在に飛翔するサンタクロースであっても、迎撃できる可能性が見えてきます。

 ただし、これだけの速度で大気圏内を飛び回る目標となると、現在GPIでの対処が予定されている極超音速兵器と比較しても、格段に迎撃困難な代物です。やはり、サンタクロースは我々人間の科学力のさらに上をゆく、超人的な存在と言えるでしょう。

【日本にも来た!】世界中を飛び回る「爆速サンタ」の飛行経路を確認(画像)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス