命令はひと言「救え!」 空自現役ヘリパイロットが語る東日本大震災の現場

高度な技術が可能とした救難活動

「皆さんも分かると思いますが、すぐ手前に存在する物体が動くと、それがほんの数センチでも敏感に知覚することができます。しかし遠くの物体ほど動きが分かりにくくなり、お月様などはほとんど静止して見えます。そのようなわけで、微妙な操縦で絶えずバランスをとる必要があるホバリングは、動きを把握しやすい地面に近いほうがやりやすいのです。高度を高く取るということは、当然ホバリング精度を保つのが難しくなりますし、我々の『チヌーク』には救難専門のUH-60Jのような自動操縦がありませんから、ピタリと静止させなくてはならないホイスト(吊り上げケーブル)を使用した救助は至難だったと思います」(那覇ヘリコプター空輸隊 今井3佐(当時))

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「チヌーク」の救難ホイスト。吊り上げケーブルの長さは約75mだが、高い高度のホバリングは困難であるため、50mを超える高度での吊り上げは相当に難しいという(2016年1月、関 賢太郎撮影)。

 しかし高い技量を持つ「チヌーク」乗員たちの活躍もあり、ホイストによる救助活動は成功し、多くの命を救うことができました。ただし大型でパワーのある『チヌーク』にとって一番『適材適所』といえるのは、『可能な限り、着陸して一度に多くの被災された方々を乗せて速やかに安全なところへ空輸し避難していただく』といった運用方法です。

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コメント

2件のコメント

  1. >チヌークが来たらまず逃げろ!!
    火力演習のシート席前方で、着陸してくる陸チヌークが吹き飛ばす小石や砂粒の嵐を経験してるので、よくわかりますw
    チヌークが活躍する作品と言えば、マリと子犬の物語。
    ブラックホークとチヌークの編隊飛行が無駄にかっこいいのと、犬たちがかわいい作品です。
    この作品でも、チヌークによる救助シーンがありましたが、そこまで大変な作業とは存じませんでした。

  2. 自衛隊の使命はまずは国民の命を守ること 大震災を被災して、使命感に燃えて入隊されたこの方に敬意を表します 多くの自衛官も同じような気持ちでしょう これこそ自衛隊の基本姿勢 戦争でなく災害時の救援には自衛隊が最大の力を発揮します 同じ防衛、自衛でも災害時など国内の非常時に役立つことを主眼にして頑張ってください 災害から国民を守る自衛隊、これこそ理想の部隊です