航続距離は1200km、価格は“マジかよ…!!” 日本初登場「ガソリンでも走るBYD新型」に乗った

中国のBYDが、日本市場に初のプラグインハイブリッドモデル「シーライオン6」を投入しました。これまでBEVモデルだけを展開してきたBYDですが、ガソリンエンジンでも走行可能なモデルの実力はどうなのでしょうか。

最も複雑な「シリーズパラレル方式」を採用!

 シーライオン6は基本的にモーターで走行しますが、エンジンは発電だけでなく、加速時や高速走行時には駆動も担う「シリーズパラレル方式」のハイブリッド車です。この方式はハイブリッドシステムのなかでも最も複雑で難しいタイプですが、自動車メーカーとしては歴史の浅いBYDが完成させたことに衝撃を受けました。

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モーター駆動が主体のため、加速はBEVのようにシームレス(西川昇吾撮影)

 なお、バッテリー残量は25~70%の間で任意に設定できるようになっていて、設定値までは基本的にモーターのみで走行し、設定値に達するとエンジンが発電を開始し、下限値を維持します。

 筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)はエンジン搭載のBYD車に乗るのが初めてだったので、今回はあえてバッテリー残量を高めに設定し、発電時のエンジン騒音の具合を検証しました。発電時のエンジン音は全く聞こえないわけではありませんが、音量は小さく音質も低めのため、不快に感じることはありません。また、風切り音やロードノイズも抑えられているので、静粛性は高い印象でした。

 運転感覚については、モーター駆動が主体であるため、加速フィーリングはBEVのようにシームレスかつ、トルクの出方もフラットです。それでいてトルクの立ち上がり方が急激ではないので、エンジン車から乗り換えても、すぐに慣れると思います。

「普通にいいクルマ」だから脅威かも?

 一方、乗り心地にはやや古さを感じました。スポーツ色の強い今どきのSUVと比べると、ユサユサと横に振られる挙動がやや大きめな雰囲気です。減衰力の問題かもしれませんが、もっとサスペンションの動きがスムーズに収まったら満足度が高まるかなと感じました。

 ただ「強いて言えば」の話なので、乗り心地そのものが悪いわけはありません。シーライオン6は日本では最新モデルですが、グローバルでは2021年に発売されたモデルです。今回感じた乗り心地の面での感触は、設計世代の違いによるものかもしれません。

 その反面、シーライオン6は意外にもワインディングでの走りが好印象でもありました。決して“飛ばして楽しい”タイプのクルマではありませんが、ストロークの大きなサスペンションはどこに荷重がかかっているかが掴みやすく、さらにパワーステアリングも自然な制御であったため、クルマとの対話が思ったよりも楽しめたのです。

 シーライオン6は非常に長い航続距離も誇りつつ、充実した装備と高い静粛性、そして400万円を切る安さを実現してきました。それでいながらレギュラーガソリンで乗ることができ、実際に試乗してみても「普通にいいクルマだな」と感じるレベルの高い完成度を持っています。これらの商品力を総合的に考えると、既存の国産SUVにとっては、脅威となる1台かもしれません。

【最強かよ…!?】これが「エンジン搭載の新型BYD」です!(写真で見る)

Writer:

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。

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