「日本三大車窓」を活用 特殊な車窓、運転も JR東「四季島」の大きな武器になるか?

線路を間違えた? 列車がバックする姨捨駅

 また姨捨駅は、「スイッチバック」という特殊な構造なのも特徴です。同駅付近は急坂が続くことから、駅を設置するにも、普通に線路の隣へホームを造るわけにはいきません。そのため急坂の「本線」から線路を分岐させた先の水平な場所に、姨捨駅のホームは設けられています。

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姨捨駅スイッチバックを横から見た図。松本方面から篠ノ井方面の停車列車は、赤線のように移動。簡略化しており、必ずしも実際通りではない(乗りものニュース編集部作成)。

 姨捨駅はそうした構造であることから、通過列車はまっすぐ本線を走り去っていきますが、停まる列車は行き止まりのホームへ入ってから、バックして引上線に移動し、当初の進行方向に戻って本線に復帰、という珍しい運転が行われます。

「四季島」は姨捨駅に停車。必然的に、この珍しい「スイッチバック」も体験することが可能です。

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姨捨駅に停車する「四季島」(左)。同駅は駅名標もジグザグのスイッチバックになっている(2016年12月、恵 知仁撮影)。

 なお、現存するもうひとつの「日本三大車窓」は、熊本・宮崎・鹿児島県境付近を走るJR九州・肥薩線の矢岳~真幸間。えびの盆地と霧島連山のパノラマを眺めることができ、日本におけるクルーズトレインの嚆矢(こうし)ともいえるJR九州の「ななつ星in九州」も、その区間を走っていました(付近にはスイッチバックも存在)。しかし夜中の通過で、特にそれを楽しむことは行われていません。

「本州では唯一の『日本三大車窓』、これは『観光資源』になります」(JR東日本 高橋敦司営業部担当部長)

 今年2017年にはJR西日本の豪華クルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレス みずかぜ)」も登場するなか、他列車と同様に沿線のさまざまな魅力を楽しみつつ、「日本三大車窓」と「夜の車窓」「スイッチバック」も体験できるのは、JR東日本「四季島」の大きな特徴であり、ならでは魅力のひとつになりそうです。

【了】

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