実は整備してなかった!「架空車検」で老舗工場が“逮捕” 不正車両は走っていいの? 背景に“事業承継の闇”
創業50年超の自動車整備工場が、いわゆる「ペーパー車検」で逮捕されました。老舗の工場で何があったのでしょうか。車検を受けた人は救済されるのでしょうか。
「前の社長はもう高齢で…」
車検ラインや整備士の増強なくして不可能な受け入れを、にむら自動車が続けたのはなぜでしょうか。同社の留守番を名乗る女性は、あるきっかけを語りました。
「2024年の12月に社長が交替しました。そこで、まったく違うことをやりはじめられるようになって――」
――社長が交替したというのは?
「事業承継というんですか。前の社長はもう高齢で、後継者もいなかったものですから」
――整備工場を長く続けられていたようですが、その精神は受け継がれなかった?
「まったく継承されませんでした」
――車検を受けた人への連絡は?
「(関係者が逮捕され)ここには誰もいないので、どんなことが行われていたのか。書類もないので、詳しいことはわかりません」
不正車検を受けた人はどうなるの?
国土交通省中部運輸局は、道路運送車両法に基づく行政処分のために、警察の捜査とは別に調査を開始しました。にむら自動車の処分が確定するのは、6か月~1年先になるとみられます。
車検の不正行為で逮捕者を出した場合、その整備工場で受けた車両は運転できるのでしょうか。中部運輸局整備課は次のように語ります。
「日常の運転前点検や定期点検などで異常がない場合は、継続車検を受けた車両の車検期間は有効と考えている」
2025年の道路運送車両法改正後、ペーパー車検はわずか3台で指定工場の認証が取り消され、その後2年間は欠格期間が続く罰則強化が行われました。設備も資格も一瞬で失う不正行為は「普通では割に合わない」(自動車整備士)と言われています。それでも行われた大がかりな不正行為。事業継承に潜む闇が背景にありそうです。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。





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