• 2025.03.17
• 山崎 龍（乗り物系ライター）

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スズキの新モデル「ジムニー ノマド」は発表直後に5万台超の予約が入り、受注停止しました。そのうち相当な割合が業者による転売目的の注文とのウワサがあります。その真相を確かめるべくスズキディーラーを取材しました。

受注一時ストップ！ 注文殺到の「ジムニー ノマド」

　2025年1月30日に発表されたスズキ「ジムニー」の5ドアモデル「ジムニー ノマド」は、月販1200台を目標としていましたが、想定を上回る5万台超えの予約が入り、わずか4日で受注が一時停止となりました。初期受注分を売り捌くには単純計算で4年近くかかることになります。

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　近年のアウトレジャーブームを背景に「ジムニー」シリーズは、多くのユーザーから支持を集め、納期の長期化がほぼ当たり前となっていました。こうしたなかでファミリーカーにも使いやすい待望の5ドアロングボディが登場したのですから、発表と同時に大勢の人がディーラーに詰めかけたのも当然のことだったと言えるでしょう。

　こうした事態の発生を懸念していたスズキの鈴木俊宏社長は、「今、お待ちいただいているお客様のお気持ちが第一」との立場から「時期尚早」として、現在のタイミングで「ジムニー ノマド」の日本導入には積極的ではなかったそうです。しかし、国内営業部からの強い要望で「納車待ちの顧客に丁寧に事情を説明し、既存車種から『ジムニー ノマド』への車種変更を案内する」として社長を説得。最終的に鈴木社長が折れて発表に至りました。

　しかし、既存の「ジムニー」シリーズの納期の問題が解決しない中で、競合車がほかになく、ファミリーカーにも使いやすい待望の5ドアロングボディの新登場だというのに、販売計画台数がたったの1200台というのでは、あまりにも需要を低く見積りすぎたと言うしかありません。

　発表と同時に「ジムニー ノマド」の予約を入れた人の多くが、海外で先行販売されていた5ドアモデルの国内販売を一日千秋の想いで待ち望んでいた熱心な「ジムニー」ファンだったと思います。

　ただ、その一方で「転売を目的にしたオーダーが相当数含まれているのではないか」とのウワサもまことしやかに囁かれています。事実、「ジムニー」や「ジムニー シエラ」の中古車の中には、即応を謳う走行距離「未使用中古車」、俗にいう「新古車」が新車を上回る価格で販売されています。