「戦車は時代遅れ」の声を覆すかも!? 米陸軍が新型を公開 異例だらけの開発手法とは

アメリカ陸軍が、新型戦車「M1E3」の初期試作車を完成させ、デトロイト自動車ショーで初期試作車を公開しました。アメリカ陸軍が戦車を今後どう開発・運用していくのか注目を集めています。

「次期主力戦車」ではない? 異例だらけな開発手法

 そうした流れのなか、アメリカ陸軍が模索している「新しい戦車」がM1E3です。しかし、M1E3は「新しい戦車」ではありますが、採用されて量産することを目指した「次期主力戦車」ではありません。「次の戦車はどうあるべきか」を探る、技術実証用の試作車なのです。

 M1E3の開発は企業に委託せず、アメリカ陸軍が開発の主導を執っています。また、試作車の製作を担当したのはRoush社という企業です。これまでM1エイブラムス系列を手がけてきたジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)は、2022年に次世代戦車のデモンストレーションとして「エイブラムスX」を公表していましたが、本件では主導的立場ではないという点も特徴でしょう。

 このRoush社は、広く自動車工学を手掛けている企業です。高度なエンジニアリングと製造ソリューションが強みで、特にプロトタイプの開発や、小ロット生産においては豊富な経験を持っています。しかし、戦車を量産することはできません。一見畑違いのようですが、「時間をかけて完璧な戦車を作る」のではなく、「早く作って試し、現場からのフィードバックを即座に反映する」という、スピード感のある開発を何より重視したのです。試作車がデトロイト自動車ショーに出展されたのも、自動車産業界との関係性を象徴します。

 技術革新の速い現代戦では、車両当たり10年以上かけるような従来の開発手法が通用しなくなっています。陸軍参謀総長の最高技術責任者兼科学技術担当上級顧問であるアレックス・ミラー博士は、「2026年中にはM1E3の完全編制の実験小隊を、陸軍で運用したい」と述べています。

 また、GDLSが遠ざけられた背景には、国防予算を増やしたのに納期は守られない、価格は下がらない、株主配当や役員報酬ばかりが増える、というアメリカ軍需産業界への不満や国防予算の使い方をトランプ大統領が厳しく見直そうとしている、という政治的空気が影響している可能性もあります。

【写真で見る】これが米陸軍の「新型戦車」です!

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