「夜行列車はオワコン、全廃だ」→「わが国が引き継ぐ!」 10年で見事“復権”させた立役者に聞く“イマっぽい”成功の秘訣
ヨーロッパの「小国」オーストリアで、国際夜行列車が育っています。一時は終焉(しゅうえん)がささやかれていた夜行列車を、オーストリア国鉄が新ブランド「Nightjet(ナイトジェット)」として再構築。その挑戦と戦略をインタビューしました。
予約が取れないカプセル型寝台
欧州で列車の写真を撮っていると、真っ赤なRailjetの車両がまさしくジェット機のように勢いよくビュンッと通過して行きます。その派手な車体に目を引かれていると、いつの間にか紺色のNightjetが死角から走って来ていて、慌ててシャッターを切ったことが何度かありました。
実際には最高230km/hと、「サンライズ瀬戸・出雲」の最高130km/hに比べてかなり高速で走るNightjetですが、対照的な車体色にしたことで、Railjetが「動」、Nightjetが「静」のイメージが打ち出され、静かな走りで安眠を守ってくれそうな印象を受けます。
実際、同氏は、「夜行列車の揺れや騒音を完全になくすのは不可能」と前置きしつつ、巨額を投じた新型夜行列車では「振動を大幅に低減する最先端の台車が装備されていて、騒音対策にも努めている」と、乗客の乗り心地を追求している姿勢を示しました。
また、成功の大きな要因として挙げられるのが、カプセル型の一人用簡易寝台です。従来の車両は、座ったまま夜を明かす座席車と、4~6人用の簡易寝台の2階級構成でしたが、「夜行列車で最も求められるのはプライバシーである」という考えから新型車両に追加されました。
「夜行バスで旅する客層をターゲットにしている」という座席車はもちろん、簡易寝台も多くは相部屋で男女同室になることもあり、プライバシーへの配慮はありません。貸し切りにできるコンパートメント(個室)も一部ありますが、値段が張るため、頭数で割れば採算が取れる家族や、予算を気にしないビジネス客などが主な利用者です。
また、「女性だけで貸し切りにできるコンパートメントもある」とNightjetの公式サイトには明記されているものの、多様性の時代で「男女」というだけの区分も難しくなってきています。
そのような現代のニーズに合わせ、「個人空間を確保しながらリーズナブルに旅できる新しい車両」を構築したのです。日本のカプセルホテルを想起させるミニキャビンですが、ネットでは「なかなか予約が取れない」というレビューが散見されるほど人気です。





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