ロシアじゃ飛行機が「軽トラ」代わり!? なかなか更新できず“約80年間現役”の傑作機 「他人事とは思えない」事情とは

旧ソ連で生まれた小型多用途機An-2は、まるで「軽トラック」のようにロシア地域の日常生活に溶け込んでしまった航空機です。設計から80年近く経つ一方、後継機の開発は難航していますが、背景には地方のインフラに特有の問題があります。

まるで“軽トラ”な傑作機「An-2」

 日本に住む多くの人にとって、「飛行機に乗る」ことはちょっとした非日常イベントでしょう。しかし海外には、まるで「軽トラック」のように日常生活に溶け込んでしまった航空機があります。それが旧ソ連で生まれた小型多用途機「アントノフAn-2」です。

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エストニア空軍でも運用されている「アントノフAn-2」(画像:PIXTA)

 国土が広大なロシアでは、飛行機は非日常的な移動手段ではなく、日常生活を維持するための重要な移動手段です。特にシベリアや極東地域には、道路や鉄道が充分に整備されていない地域が広がっており、また冬季には地上交通が機能しなくなる場所も珍しくありません。こうした環境で暮らしている人々にとって、ほとんど唯一の交通インフラが航空機なのです。

 こうした地域の空港は、多くの日本人が思い浮かべる“小ぎれい”な施設とはかなり違います。設備は必要最小限で、滑走路は原野を切り開いたままの未舗装。建物は空港ターミナルというより、集会所か倉庫のような簡素な施設が1棟だけ建っているという場所もあります。

 そのような過酷な環境で運用されてきたのが、1947年に初飛行した単発複葉機のAn-2です。巨大な空港ターミナルから保安検査場を通って乗る旅客機がさしずめ「大型高速バス」なら、An-2は軽トラックとたとえても良いでしょう。

 An-2は設計から80年近くが経過した今なお、ロシアや旧ソ連圏の一部で現役として使われ続けています。ジェット旅客機が空を行き交い、航空技術が飛躍的に進歩した21世紀において、なぜこれほど古い飛行機が必要とされ続けてきたのでしょうか。そしてなぜ後継機が登場していないのでしょうか。

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