「2扉の通勤電車」を改造→“ゼロ扉車”も!? 一気にレベルアップした「南海のシン観光列車」全貌明らかに 乗車時間“3倍”でたっぷり!
南海電鉄が導入する新観光列車「GRAN 天空」の外観がお披露目。大手私鉄の観光列車の先駆けともいえる従来の「天空」に、いわゆる“レストラン列車”の要素も取り込んだ意欲作です。
新造は難しい「特殊な車両」 めっちゃ改造!
17年にわたり運行した従来の天空は、大手私鉄の観光列車としては先駆け的な存在です。「こうや花鉄道」の愛称を持つ橋本~極楽橋間の活性化を目的に登場しましたが、わざわざ和歌山県の橋本まで行って乗り換えなければなりません。
「難波に行かないことで、関西圏以外のお客様には乗車のハードルが高く、また予約も電話のみのためインバウンドのお客様にも難しい側面がありました」と森さん。そこで、難波直通の観光列車プロジェクトが2022年から立ち上がりました。
1・2号車は、従来の天空にもあった窓側を向いたシートなども引き継いだ座席車として輸送力をアップさせ、さらに4号車のソファー席でのみ食事を提供するスタイルで、大手私鉄にも増えている“レストラン列車”の要素も取り込んでいます。運輸車両部の才津慎司課長補佐によると、従来の天空でも「団体のお客様を中心に、車内で持ち込みの食事をとる姿があった」といいます。
一方、車両は新造ではなく、1990年に登場した2000系電車の改造です。これには橋本~極楽橋の山岳区間が全長17mの短い車両でしか運行できないことが影響しています。
「17m車両は特殊なので、新造はどうしても費用がかさみます。ちょうど、2000系が機器更新の時期を迎えていたので、これを改造することになりました」(計画担当 久保薗隆祥課長補佐)
改造に際しては「通勤車っぽさをいかに無くすか」に苦心したとのこと。その一つが前照灯の変更で、2000系は前面の“腰”の部分に角目ライトがついていますが、これを上部に移設し、なおかつ丸目ライトにしています。
また、車体側面に2つずつの乗降扉(2扉車)は、4号車については全て「はめ殺し」にして、1~3号車は1つずつにしています。はめ殺した扉部分は片開き扉を溶接で埋めたようにも見えますが、これは両開き扉を取り外し、窓付きの外装板をはめ込んでいます。
このほか、走行系の機器については8300系や1000系更新車をベースとする最新のものに変更し、静音かつ省エネ性能を向上させているといいます。床下機器の他の車両との違いは、トイレを新設したことによるタンク類の追加などだそうです。
他の2000系についても更新時期を迎えつつありますが、その更新計画については現時点では未定。GRAN 天空の増備については運行開始後の「様子を見ながら……」とのことでした。
GRAN 天空は4月24日に運行を開始します。これに先立ち天空は3月20日に定期運用を終了。今後は臨時用となり、橋本~極楽橋の区間の縛りもなくなるとのことで、他区間に顔を出す可能性もあります。




コメント