電気機関車「金太郎」約30年越し“大改造”のワケ 「日本海に迂回して貨物を止めるな」だけじゃない狙い JR貨物に聞いた
JR貨物は2026年3月のダイヤ改正で、改造した電気機関車EH500形「金太郎」の運用を上越線へ拡大します。発表されている目的に加え、担当者への取材から「一石二鳥」の狙いが見えてきました。
機関車の「玉突き転属」発生!
皆川さんはEH500形を上越線に入れる狙いを、BCPに加えて「(EH500形の導入で)玉突きによって上越線で使ってきた(直流電気機関車)EH200形を中央西線に持って行き、老朽化した機関車を置き換えるため」と話します。
JR貨物は2026年3月14日のダイヤ改正後、中央西線の名古屋貨物ターミナルと南松本駅(長野県松本市)を結ぶ定期列車に使ってきた国鉄時代製造の直流電気機関車EF64形を、EH200形に置き換えます。
置き換えられるEF64形は愛知機関区(愛知県稲沢市)の所属で、EF64形の“牙城”でも廃車が急速に進んできました。JR貨物幹部は筆者に「EF64形は新しい機関車に比べると故障が多く、修理用の部品も調達しにくくなり、運転士養成を効率化するためにもJR貨物発足後の機関車に統一したい」と打ち明けました。
上越線への「こんにちはEH500形」という進出劇は、中央西線での「さようならEF64形」という世代交代劇という「もう一つの顔」を持っていました。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。





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