「歩いたほうが早い」ならバス不要? 大都会「新宿の高層ビル街」から消えていく路線バス
東京の新宿駅と高層ビル街の間を巡回する路線バス「新宿WEバス」が、2026年3月末で廃止されます。
「新宿WEバス」が廃止される理由
今回の廃止に至った理由は、「利用者数の減」「乗務員不足」「運行コストの増」といった影響を受け、今後の運行継続が困難となったためです。
新宿区の資料によると、JR新宿駅の東西自由通路開通に伴う駅周辺の歩行者回遊性の向上や、シェアサイクルをはじめとした交通手段の多様化、運賃が100円ということで収支の維持困難、さらには今後のバスの修理費増加や更新費の発生で事業者の負担の増加が予想されるという理由で、廃止はやむを得ないと判断されています。
代替として、新宿駅西口を発着する既存の京王バスの路線が推奨されています。しかし、南側の甲州街道ではバス路線の廃止が相次ぎ、「新宿WEバス」の廃止も重なるため、西参道の交差点からバスタ新宿がある新宿駅南口付近までは路線バスがほぼなくなります。バスタ新宿から新宿ワシントンホテル付近は、京王バスの「030」系統(バスターミナル東京八重洲発・永福町行き)が辛うじて残りますが、日曜・祝日に1本だけの運行です。
「新宿WEバス」vs徒歩
廃止を前に、「新宿WEバス」に乗ってみることにしました。乗車したのは平日14時台の便です。新宿駅西口を発車した時点で乗車は2人だけでした。途中の新宿ワシントンホテルから乗車があり、以後は各バス停で新宿駅西口に戻る客が乗車しましたが、乗客の数は全部で10人にも満たないものでした。
このバスは運賃が100円ですが、東京都のシルバーパスは利用できません。このためシルバーパスを提示した乗客が運転士に促されて100円を支払う姿も見られました。
「新宿WEバス」は、道路の都合で遠回りをしながら走ります。新宿駅西口から新宿ワシントンホテルまでは直線で数百メートル。そこで、この区間で「新宿WEバス」と徒歩のどちらが早く着くか試してみました。
「新宿WEバス」は新宿ワシントンホテルから西参道を通り、甲州街道を経由して新宿駅西口に戻って来ます。この間、信号待ちやバス停での時間調整も行われています。徒歩のルートも直線とはならず、碁盤の目のようになっている西新宿の高層ビル街をジグザクに歩くことになります。さらに、横断歩道での信号待ちもあります。
新宿ワシントンホテルのバス停から、「新宿WEバス」の発車と同時に新宿駅西口に向かって歩きました。その結果、3分ほど早く新宿駅西口のバス停に先に着いてしまい、バスに勝ってしまいました。しかし、逆向きの新宿駅西口から新宿ワシントンホテルに向かう場合は、走行ルートの関係から「新宿WEバス」の方が早く到着します。
このように徒歩も良い選択肢ですが、足を傷めるなどして歩くのが厳しい状況ならバスが最善の選択肢になります。また、雨の日は一般的には徒歩が不利ですが、新宿ワシントンホテルから京王新線新宿駅までなら地下通路があります。この通路はJR新宿駅南口などに接続しているので、雨天でも傘の心配は不要です。しかし、通路の途中には階段などの上下移動があります。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。





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