名機の“皮を被った” 「謎の中国旅客機」その内部をついに捉えた! 「ただのパクリ機じゃない」と言えるワケとは
近年、国際航空マーケットで注目を集めている中国の航空機メーカーCOMAC。同社の最初の国産旅客機であるC909は、かつて中国でライセンス生産されていた米国製旅客機とよく似ていますが、その実態はどのようなものでしょうか。
国産機を目指した最初の一歩
C909は中国航空機メーカーにとっては最初の国産旅客機ともいえる存在ですが、それゆえに多くの苦労があったのは事実であり、MD-80シリーズとの類似性もその表われだともいえるでしょう。
実際、C909は中国製といいつつも、構成部品の多くは外国製品を輸入して生産されています。エンジンはGE エアロスペース社のCF34-10Aで、コクピット周りのアビオニクスはロックウェル・コリンズ社製。新しいスーパークリティカル翼の設計も、ウクライナのアントノフ社が行なっています。
機体フレームと最終組み立ては中国国内で行なわれていますが、サプライチェーンの多くは欧米企業に大きく依存しており(一部は中国国内企業への切り換えが進行中)、じつは中型機であるC919もこれは同様です。
このことから、COMAC社と中国の旅客機開発能力に疑問を持つ人も多く、海外での商業運行に必要な欧米の形式証明(TC)の取得もできていないことも問題視されています。
しかし、現時点で世界的に見ても民間旅客機を生産・新規開発できている会社は数社しか存在しておらず、そこに新しい企業として参加するのは簡単なことではありません。
C909やC919の現状は中国独自開発とはいえない部分も多いですが、今後の国産化と技術の蓄積のための途中と考えれば、COMACと中国の航空産業は決して過小評価すべきではないでしょう。
C909は、それまで国産旅客機の開発ノウハウの無かった中国の航空産業にとって、「0を1にするための機体」だったといえるでしょう。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





コメント