進むアルプス地下発電所建設、何を目指すのか 鉄道向き? 日本の影響も

スイスでいま、同国の国鉄などにより発電所の建設が進行中。「電化率ほぼ100%」であるスイスの鉄道、そしてスイスという国が考えるエネルギーの未来が、そこに見えました。日本で起きたあの事故も、アルプスの地下に影響しています。

揚水発電所をスイス国鉄が「必要」とするワケ

 ナント・ド・ドランスは「揚水発電所」というタイプの発電所です。「下湖」のエモッソン湖(Emosson)と「上湖」のビューエモッソン湖(Vieux Emosson)というふたつのダム湖を使い、電気が必要なときは上湖から下湖へ水を流して発電。そして、需要が少ない夜間の電気を使って下湖から上湖に水を戻すという仕組みです。

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左上が「上湖」のビューエモッソン湖、右下が「下湖」のエモッソン湖で、標高差は約300m。結ぶ管の途中に発電機がある(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 揚水発電所は需要の変化に応じて素早く発電でき、水も再利用するため、朝の列車本数が多い時間帯に発電し、深夜、水を上湖へ戻して、翌朝、再びその水を使って発電する、といったことが可能。鉄道に適した特性を持つため、スイス国鉄はこれを「必要」としています。

 こうした揚水発電所は日本にも存在し、特に珍しいものではありませんが、このナント・ド・ドランスは既存のダム湖を活用しているのが大きな特徴。またそれが、この大規模工事がスムーズに進んでいる要因でもあるようです。

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