進むアルプス地下発電所建設、何を目指すのか 鉄道向き? 日本の影響も

スイスでいま、同国の国鉄などにより発電所の建設が進行中。「電化率ほぼ100%」であるスイスの鉄道、そしてスイスという国が考えるエネルギーの未来が、そこに見えました。日本で起きたあの事故も、アルプスの地下に影響しています。

スイス、そしてナント・ド・ドランスに影響を与えている日本の事故

 ナント・ド・ドランスのエリック・ウィルー社長によると、福島の原発事故を受けて、世論もそのプロジェクトを後押ししているとのこと。

 スイスの電力は約6割が水力によりますが、残りの約4割は原子力です。しかし2011年に発生した福島の事故後、スイスでは2034年までに原発を全基停止することが目標になりました。

 原子力由来の電力をどの電力と替えるのか、具体的な決定には至っていませんが、ひとつの方法として、スイスの豊富な水を使った水力発電のさらなる活用が考えられています。ナント・ド・ドランスでも、福島の事故後に発電機の数を4基から6基に増やしたといい、エリック・ウィルー社長は「完成すると地域に供給できる電力が3倍になり、スイスのフランス語圏(同国の西側地域)へ電力を安定供給できる」と話します。

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建設中のナント・ド・ドランス発電所(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 現在、電力の約90%が水力由来であるスイス国鉄は、2025年までに100%を再生可能エネルギー由来のものにするとしているほか、先述の通りスイスは、2034年までの「脱原発」が目標。20億スイスフラン(約2300億円)が投じられ、900メガワットというスイスのゲスゲン(Gosgen)原子力発電所と同等の発電能力を持つというナント・ド・ドランス発電所がそこで果たす役割は、大きなものになりそうです。

【了】

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