進むアルプス地下発電所建設、何を目指すのか 鉄道向き? 日本の影響も

スイスでいま、同国の国鉄などにより発電所の建設が進行中。「電化率ほぼ100%」であるスイスの鉄道、そしてスイスという国が考えるエネルギーの未来が、そこに見えました。日本で起きたあの事故も、アルプスの地下に影響しています。

恐れられるスイスの「レファレンダム」、しかし…

 標高およそ2200mの位置にあるビューエモッソン湖は、1955(昭和30)年にスイス国鉄が発電のため建設しました。そして1974(昭和49)年、標高およそ1900mの位置にエモッソン湖が完成し、そこでの発電が始まると、容量が少なかった既存のビューエモッソン湖での発電は終了。水の貯蔵庫にされました。ナント・ド・ドランスは、この貯蔵庫を「上湖」として再々利用し、揚水発電所にするのです。

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標高およそ1900mの場所にあるエモッソン湖。アルプス山脈の氷河などが眺められ、観光地としても知られる(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 スイスには「レファレンダム」という、一定の条件を満たせばその是非を国民投票に持ち込める制度が存在。それによって事業がストップする可能性があるため、環境に影響を与える可能性がある土木事業を行う側にとって、「一番怖いもの」ともいいます。

 しかし、自然豊かなアルプスの山岳地帯で行われるこの発電所の大規模工事について、それは行われませんでした。ナント・ド・ドランスのエリック・ウィルー社長は「存在しているダムを活用してより良いものを造ることから、反対が少なかったと思われます。環境団体からはありましたが、合意して進めました」と話します。

 また、建設に必要なセメントの材料はダムの近くから採掘し、発電所などを設けるため掘削した地下の土砂をそこに戻しているそうです。

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