なぜスズキだけが「トヨタ以外で一人勝ち」? アメリカ・中国から“撤退”でも強いワケ 成功した「大きな賭け」

トヨタ以外の国内自動車メーカーの業績が伸び悩むなか、堅実に成長しているのがスズキです。なぜスズキは好調を維持できるのでしょうか。

インド戦略は当時“大きな賭け”だった!?

 実際、スズキはインド市場で約半数のシェアを誇り、筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)も現地に行った人から「道路を見ると2台に1台がスズキ」と聞いたことがあります。

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インドの高速インターチェンジ。多くのスズキ車が走る(画像:PIXTA)

 スズキがインド市場に進出したのは、1982年のこと。当時インドの国営企業であった「マルチ・ウドヨグ」社と4輪車の合弁生産について合意し、翌1983年からクルマの生産を開始しました。

 このタッグの背景にあったのは、当時のインド政府が掲げた「国民車構想」です。これは日本の軽自動車のように、税制優遇の対象となる小型車の規格を設ける政策で、このパートナーとして手を上げたのがスズキだったというわけです。スズキはこのインド独自規格に合致したモデルを開発し、現在も規格に合わせたモデルの販売を続けています。もちろん、インドに工場も有しています。

 今日の成功を思えば、人口の多いインドが将来的に有益な市場になるという、スズキの見立てには先見の明があったといえます。が、当時インドでは自家用車を所有できる国民は限られていたことを考えると、大きな賭けだと見る向きもあったでしょう。

 ただ、インド政府の国民車構想に正面から応え、安価で耐久性の高いクルマを提供することは、小さなクルマを得意としている、スズキだからこそできたことだと筆者は考えます。1982年に下した決断は、21世紀になって正解であったと証明されているのです。

【なんか違う!】これが「インド仕様のワゴンR」です(写真で見る)

Writer:

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。

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