三菱自動車、それでも黒字見込みのワケ 凋落は底をついたのか? カギは新車に

国内不振の三菱自動車が平気なワケ

 過去5年を振り返れば、三菱自動車は年間100万台ほどのクルマを世界中で販売してきました。ところが、事件発覚の直前である2015年の日本での販売は10万台ほど。つまり10分の1しかないのです。しかも、2012(平成24)年より毎年1万から2万台規模で販売が減少しています。なんと日本では、事件発覚前から販売激減が続いていたのです。

 日本市場においてそんな最悪の成績でも、三菱自動車がトータルでの販売数が維持できたのは、世界全体での販売は悪くなかったからです。実際に海外のモーターショーへ取材に行くと、三菱自動車による燃費不正が話題となることはほとんどなく、どこに行っても日本国内よりも高い人気を誇っています。

 まだまだ悪路が多いエリアでは、タフな4WDモデルが求められています。もともと三菱自動車の得意は4WD、4WDモデルの「ランサーエボリューション」による、「WRC(世界ラリー選手権)」での活躍もありました。フラッグシップの「パジェロ」は過酷なラリーレイドである「パリ・ダカールラリー」で何度も優勝しています。さらにピックアップトラックの「トライトン」という人気モデルも存在します。4WDが得意な、タフなブランドというイメージなんですね。三菱自動車の「ジェットファイター」と呼ばれる強面フェイスも、そのイメージにぴったりです。

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2016年8月、日本国内では燃費不正発覚で揺れるなか、「インドネシア国際オートショー」に出展された「ミツビシ XM コンセプト」(画像:三菱自動車)。

 しかし、海外市場でも不安要素がありました。それは新型車の不在です。最近の三菱自動車は、新車リリースのペースがガタッと落ちています。いくら世界中で高い人気を誇っていても、新しいクルマが出なければ、販売数を維持することは困難になります。

 しかし、そんな不安を払拭するようなニュースが発表されました。

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コメント

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3件のコメント

  1. 燃費を話題にもしない北米・中国マーケットで好評だということか。
    今後はフルサイズSUVに経営を集中しそうだ。軽ユーザーからの信用を回復させる道筋は見えてこない。

  2. 実際、部品供給量は、今年に入って倍増してますからね。

  3. おっと、「底をついた」は意味が違いますよ
    「底をついた」は、在庫が無くなる・尽きる、という意味です
    この場合は「凋落に歯止めがかかる」もしくは「業績が底を打つ」でしょうね