日本の装備品輸出「売れるモノ/売れないモノ」が鮮明に? “三原則”改訂で商機拡大 「あれも欲しい」に応えられるのか
防衛装備移転三原則が改訂され、殺傷能力を持つ装備品の輸出も可能になりました。では、輸出する装備品の「売れ筋」になり得るのは、一体何なのでしょうか。
航空機は輸出よりも、まず…
日本の航空機関連メーカーの意見を取りまとめている一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC)は5月26日に会長会見を行い、SUBARU取締役の中村知美前会長(5月26日付で退任)が記者からの質問に答える形で「防衛装備品の国際共同開発の流れは変わらないと思う」と述べました。
そのうえで、イギリス、イタリアと共同で行っている新有人戦闘機開発プロジェクト「GCAP」を順調に進めることで、日本の航空技術力をアピールしていけるのではないか、との考えを示しています。
筆者もまずはGCAPを順調に進めて、諸外国との間の関係を深めたその先に、単独開発する航空機を移転する道は開けるのではないかと思います。
陸上の装備品はどうでしょうか。フィリピンは同国で行われた多国間軍事演習「バリカタン26」に参加した陸上自衛隊の16式機動戦闘車や10式戦車に高い関心を示しているとも報じられています。
しかし、車両の海外移転も難しいのではないかと筆者は思います。
16式の生産は数年のうちに終了する見込みですが、10式戦車の新規製造と大規模改修は今後も長期に渡って続く予定ですし、メーカーの三菱重工業は25式偵察警戒車、24式機動120mm迫撃砲などの生産も行っていますので、海外からの需要に対応するのは難しいと考えられます。
「売れるモノ」の筆頭は
最も売れそうな防衛装備品は艦艇でしょう。
前に述べたようにオーストラリアとは汎用フリゲートの契約が締結されていますが、この汎用フリゲートについては、現在オーストリアと準同型艦のフリゲートを運用しているニュージーランドでも、同国海軍の新型フリゲートの候補に選定されています。また、もがみ型もインドネシアなどが関心を示しています。
海上自衛隊が運用している護衛艦や潜水艦に対しては、フィリピンだけでなくインドネシアなども関心を持っています。このため防衛装備庁は2025年9月、「東南アジアにおける艦艇の維持整備体制」つまりアフターサービス体制の構築に向けた体制の細部検討役務の一般競争入札を行っています。
日本は商船分野で中国と韓国の後塵を拝していますので、日本製の戦闘艦など売れないという意見も見受けられますが、韓国はともかく、中国から戦闘艦までは買いたくないと考えている国は少なくありませんし、中古であれば品質、価格とも韓国への競争力は十分にあると筆者は思います。
いずれにせよ日本は挑戦を始めたばかりのチャレンジャーなのですから、あれもこれもではなく、可能性の高いものに注力して、メインターゲットと位置づけているアジア太平洋諸国の信用、信頼を勝ち取っていくべきなのではないかと考えます。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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