移動手段であり“忍者”でもある!? 軍用の「静かすぎる電動バイク」が目指す新しい戦い方
軍隊が電動バイクに注目しています。その理由は、環境問題やサステナビリティだけではありません。大きな原因はFPVドローンや偵察ドローンです。
ドローン時代の到来が軍用バイクを変えた!?
戦車や装甲車が並ぶフランス・パリ近郊の防衛装備展示会「ユーロサトリ」で、ひときわ異彩を放っていた乗りものがありました。それが、軍や警察向けに開発された電動バイクです。
軍隊が電動バイクに注目する理由は、環境問題やサステナビリティだけではありません。大きな原因はFPVドローンや偵察ドローンです。
ウクライナとロシアの戦闘でわかるように、赤外線センサーや各種監視システムによる探知能力も向上した現代戦においては、小型のドローンでも容易に移動中の兵員などを発見できてしまいます。そのため、「音を消せること」そのものが新しい戦術的価値になりつつあります。
従来、軍用バイクに求められていたのは、悪路を高速で走破する機動力でした。しかし現在は、「敵に見つからず目的地まで到達すること」が重要になっています。ユーロサトリでも、この変化を象徴するように複数の軍用電動バイクが展示されました。そのひとつが、フランスのETRICKSが展示した軍隊向けの電動バイクでした。
同社によると、車両重量は約40kg、最高速度は約55km/h、航続距離は約80km。リチウムイオンバッテリーを搭載し、充電に必要な時間は約2時間です。価格は1台あたり約5000ユーロ、日本円で約92万円とのことでした。
兵士と装備を含めて最大150kg程度まで搭載でき、荷物ラックや赤外線ライトといったオプションも用意されているそうです。メーカー担当者によると、同車は警察や国家憲兵隊、軍向けとして提案されており、既にドイツ警察やフランス軍でも使用されています。
一方、フランス陸軍ブースでは、同じフランス企業ETENDARDが開発した軍専用モデル「SPECTRE」が展示されていました。ETRICKSが民生技術をベースにしたモデルであるのに対し、SPECTREは特殊部隊での運用を前提に設計された専用車です。
両者に共通しているのは「静粛性」を最大の武器としていることでした。軍用電動バイクは一過性の展示品ではなく、各国メーカーが本格的に開発へ取り組み始めた新しいカテゴリーといえるでしょう。




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