命令は「大統領を拉致せよ!」米軍が見せた驚愕の特殊作戦その全貌 あらゆる航空機を駆使して1日で3500kmを移送

電撃的に実行されたベネズエラ大統領マドゥロの拘束作戦。その裏で多数の航空機を緻密に組み合わせた移送作戦が展開されました。

洋上拠点を介した大統領官邸の強襲

 作戦の第一段階はカリブ海上から始まります。ベネズエラ沖に展開していた米海軍の強襲揚陸艦「イオージマ」は、この特殊作戦の洋上前進基地として機能しました。そして実際の強襲任務を担ったのが、米陸軍第160特殊作戦航空連隊が運用するMH-47G特殊作戦型チヌークです。

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作戦支援のためプエルトリコに展開したF-35A戦闘機(画像:アメリカ空軍)

 大統領官邸への突入は驚くほど短時間で完了しました。特殊部隊は警護部隊を制圧するとともにマドゥロを拘束し、そのまま待機していたMH-47Gへ収容します。ヘリコプターは即座に離脱を開始し、ベネズエラ軍が状況を正確に把握するよりも早くカリブ海上へと姿を消しました。ほどなくして機体は「イオージマ」へ帰投し、給油と状況確認が行われます。ここから作戦は強襲段階から秘密移送段階へと移行しました。

 燃料を補給したMH-47Gは再び発艦し、拘束した大統領を乗せたまま北方へ向かいます。その目的地はプエルトリコ西部のラファエル・エルナンデス空港でした。特殊作戦において目標人物の拘束そのものは成功の半分に過ぎません。その先の課題は、移送過程において発見や妨害を受けることなく安全圏へ運び出すことです。

 プエルトリコで待機していたのは、米空軍特殊作戦司令部が運用する特殊作戦機MC-130JコマンドーIIでした。特殊部隊の潜入・撤収支援を主任務とするこの機体は、世界各地の秘密作戦を陰で支えてきた航空機です。マドゥロは厳重な警備下で貨物室へ移され、機体は速やかに離陸しました。

 MC-130Jは西北西へ進路を取ります。その行き先はキューバ東端に位置するグアンタナモ米海軍基地。アメリカと敵対関係にあるキューバに位置しながらアメリカの戦略拠点として機能してきたこの基地は、特殊な法的地位を有する中継地点としても理想的な存在でした。

【画像】マドゥロ拘束作戦に参加した特殊作戦機とは

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