日本人は世界一周好き? 「飛鳥II」クルーズに集まる人気と期待、専門家はどうみるか

「飛鳥II」の世界一周クルーズが人気を集めています。外国のクルーズ船が存在感を強めているなか、この人気の背景について、そして「日本にとっての意義」を専門家に聞きました。

苦しい日本のクルーズ船、しかし「日本のクルーズ船」だからできることも?

 昨今では外国のクルーズ船が中国人などを乗せてたくさん来訪するようになり、「昨年くらいから日本のクルーズ市場も活性化し始めています」と若勢さんはいいます。その一方で、国内には郵船クルーズの「飛鳥II」、商船三井客船の「にっぽん丸」、そして日本クルーズ客船の「ぱしふぃっく・びいなす」という3社3隻しかなく、そしてどこも経営状況は芳しくないのが実情だそうです。

「かつてはどこも赤字にあえぎ、親会社の支援を受けての経営が続いていました。この数年は、トントンか赤字といった経営成績が続いたおかげで、どこも、船齢20年を超える客船1隻での運航と、ギリギリのところまで追い込まれていました。最近はようやく、うっすらと黒字化もしました。この『飛鳥II』による世界一周クルーズの成功で、再び日本のクルーズにも話題が集まり、黒字経営を継続できるといいですね」(若勢さん)

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スエズの街とスエズ運河(画像:birute/123RF)。

 また若勢さんは「ぜひ、新しい設備やエンターテイメントを導入した、次の新鋭客船のデビューにつなげてほしいです。とりわけ郵船は次の客船建造で造船所との交渉に入っていますから、この成功を新造船につなげてほしいですね」とも話します。

「日本は『東京オリンピック』を控えて、海外から旅行客をお招きしてというインバウンド旅行の振興に全力を挙げていますし、一定の成果が上がっています。しかし、忘れ去られているのが、アウトバウンドの振興です。客船は、日本のテイスト、日本人のきめの細かなサービスを提供しながら、海外旅行ができるというアウトバウンドの振興にも繋がります。また、『海外の港から日本船に乗れば、もうそこは日本』という、船の使いようによっては海外からのお客様の受け皿にもなります。船上で本格的な日本食や日本の細やかな文化、芸能を紹介しながらの日本船の旅を味わってもらえるよう、つまり双方向の旅を提供できるツールとして日本の客船が受け入れられるようになればいいと思います」(若勢さん)

【了】

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