日本人は世界一周好き? 「飛鳥II」クルーズに集まる人気と期待、専門家はどうみるか
「飛鳥II」の世界一周クルーズが人気を集めています。外国のクルーズ船が存在感を強めているなか、この人気の背景について、そして「日本にとっての意義」を専門家に聞きました。
「飛鳥II」、ひさしぶり世界一周の旅
郵船クルーズの客船「飛鳥II」による2018年実施の「世界一周クルーズ」が、2017年4月7日(金)より予約開始になりました。関係筋によると、現時点(2017年4月11日)で相当数の申込みが集まっているといいます。
「売り出し直後のためまだ集計しておらず総数は把握していませんが、催行の発表以降、期待してお待ちいただいていたお客様が多数いらっしゃったようで、大変うれしく思っております」(郵船クルーズ)
「飛鳥II」の世界一周クルーズは2015年以来、3年ぶりの再開になります。しかし船旅事業研究家の若勢敏美さんによると、ソマリア沖の海賊問題もあって、スエズ運河を経由し地中海に抜けるという「正統派」の一周クルーズは2011年以降、行われていないそうです。
前回の、「飛鳥II」が2015年に行った世界一周クルーズも、スエズ運河を通過するコースがとられました。しかし、募集後にアラブ世界の混乱が深刻化したため、当該地域では乗客の下船は許されず、紅海やスエズ運河も無寄港で突っ切るという変則的な形になっています。若勢さんの言う「正統派」からは外れるもので、そうした理由からか、あるいは世界情勢を反映してか、出発までにキャンセルも多数発生したといいます。
「世界一周クルーズは、地球の治安が悪いと実現できない旅で、今回も定番寄港地であるイスタンブールに寄港できないなど、まだ完全な形ではありません。しかしながら、業界内でも慎重派といわれる郵船クルーズが今回、実施に踏み切った意義は大きいでしょう」(若勢さん)
またその予約状況について若勢さんは、2015年には最低でも450万円と高騰していた「飛鳥II」の世界一周クルーズ料金が、「今回は初代『飛鳥』による1996(平成8)年の第1回催行当時並みである、330万円(早期割引価格)から募集されたのも大きい」といいます。
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