特徴のなさこそ傑作の証 千葉に舞った名機DC-3、82年目の「デファクトスタンダード」

DC-3の姿は、現代の旅客機のなかにあっても平凡なものです。その特徴のなさはすなわち、いまの航空機のスタンダードを確立したことを意味します。なぜDC-3がその役割を担うことになったのでしょうか。

名機DC-3、千葉の空をフライト

 2017年6月3日(土)、4日(日)に開催された「レッドブル・エアレース千葉2017」では、唯一の日本人パイロットである室屋義秀選手が2年連続で母国優勝という快挙を達成しました。

 また同エアレースのエキシビションにおいて、旧帝国海軍の名機、零戦の一般公開飛行が1995(平成7)年以来(このときは別の機体)、およそ20年ぶりに行われるなど、いろいろと歴史に残る1日となりました。

 歴史に残るという意味では、同エキシビションで披露された往年のレシプロ旅客機DC-3の飛行もまた注目すべきイベントであったと言えます。一見さえないこのDC-3、実は航空史のみならず人類の歴史を大きく変革させてしまった、世界の傑作機5本指に入るとてつもない名機であることをご存じでしょうか。

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ブライトリング社(スイス)がスポンサードするDC-3。「レッドブルエアレース」における飛行展示直後に日本をはなれ太平洋横断を成功させた(関 賢太郎撮影)。

 第二次世界大戦において連合国軍最高司令官を務めたアイゼンハワー第34代アメリカ大統領は「第二次世界大戦はC-47(DC-3の軍用機型)のおかげで勝った」とさえ称えています。

 特徴がないのが特徴といえなくもない普通のクラシカルな旅客機にしか見えないDC-3ですが、この「特徴がないのが特徴」であることがこの飛行機の凄さなのです。

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コメント

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3件のコメント

  1. 出現当時のDC3の何が画期的だったって、フルメタルで平滑な機体や引き込み脚の他にも客席の床が前から後ろまでフラットで乗降性や積載性に優れてたことやね。ライバルのボーイング247は主翼の桁が室内に突出していた。

  2. 皮肉にもダグラス社は跡形もなく消えたのに。

  3. 機長!何するんですか!?