只見線、鉄路で復旧へ JR東と福島県が合意、「上下分離方式」で存続

JR東日本と福島県が、豪雨災害で不通になっている只見線の復旧に関する基本合意書などを締結。「上下分離方式」での復旧が決定しました。

豪雨災害で不通に それから約6年

 JR東日本は2017年6月19日(月)、福島県と「只見線(会津川口~只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」を締結。同県が鉄道施設や土地を保有し、JR東日本が列車の運行を担う「上下分離方式」で、復旧させる方針であることを発表しました。

 只見線は、磐越西線の会津若松駅(福島県会津若松市)と上越線の小出駅(新潟県魚沼市)を結ぶ135.2kmの路線です。このうち会津川口~只見間27.6kmは、2011(平成23)年7月の豪雨被害により橋梁が流出するなどして不通になっており、バスによる代行輸送が続けられています。

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豪雪地帯を走る只見線(2009年1月、恵 知仁撮影)。

 今回の基本合意では、JR東日本が会津川口~只見間を鉄道で復旧します。工事費総額約81億円の負担割合は、福島県が3分の2、JR東日本が3分の1です。復旧後、JR東日本は鉄道施設などを福島県に無償で譲渡。営業運転再開までに、福島県は鉄道事業法に定める「第三種鉄道事業者」の許可を、JR東日本は「第二種鉄道事業者」の許可を、それぞれ国土交通大臣から取得します。

「第三種鉄道事業者」となる福島県は譲渡された鉄道施設などの維持、管理を行い、災害復旧などの場合も含めて費用を負担します。「第二種鉄道事業者」となるJR東日本は保有する車両を用いて列車を運行。本数は被災前の1日3往復を基本とします。鉄道施設の使用料については「JR東日本が(福島県に)使用料を支払うことにより、運休区間(会津川口~只見間)の収支に欠損が生じないよう減免」(JR東日本)されます。

 JR東日本は当初、只見線の利用者減少などを理由にバス転換を提案しましたが、沿線市町村や福島県などの強い要請を受け入れ「上下分離方式」となりました。運転再開時期は発表されていませんが、同社は「基本合意書等に基づき、関係者の皆さまと協力して鉄道復旧を進めてまいります」としています。

【了】

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