日本橋に空は必要か 川の水面から眺める首都高のいまの姿(写真50枚)
観光資源として、空は必要か?
日本橋は江戸幕府の開府とともに、1603(慶長8)年に最初の木造橋が架けられました。京都の東映太秦映画村にはこれが再現されており、時代劇などでその姿はおなじみかもしれません。江戸時代をとおし何度も焼け落ち、石造りになったのは明治時代で、現在のものは1911(明治44)年に架橋された19代目とも20代目とも言われています。
ここで清掃船に追いつかれ、しばしその通過を待ちました。流れが非常に緩やかな日本橋川は、川上から流れてくるゴミなどはもちろん、風に吹かれ川下から流れ込んでくる浮遊物もあり、ゆえに水面にゴミが滞留してしまいます。そこで、川面のゴミを回収する清掃船が投入されているのです。清掃を実施しているのは東京都建設局です。
今回、船の操船を務めてくれた勝どきマリーナ(東京都中央区)の今野大樹キャプテンは、「川面にゴミが浮いているのが目に付くと、余計にゴミを投げ込まれてしまうので、こうして常にキレイにしておくことが大事なのです」と話します。上空に高架が走っているゆえ、ただでさえ川面が薄暗いことも大きく影響しているそうです。言われてみれば確かに浮いているゴミは少なく、そしてこれは季節によるのかもしれませんが、水のにおいもまったく気になりませんでした。
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もしも日本橋川が空を取り戻し、水面が明るくなったなら、より美しい川辺の景観が広がることになるのかもしれません。一方で、世界初の都市高速である首都高の、ビルの合間を縫うように高架が走る姿は、これまでSF映画などの創作物へ大いにインスピレーションを与えてきたという声も聞きます。日本橋の上に首都高の高架が走る景観こそが、地層のように歴史が積み重なっている姿であるという見方もできるでしょう。
将来どのような姿になるのか未だ定かではありませんが、2017年6月現在の日本橋は多少薄暗くともきれいに整えられ、そしてそのわきに設けられた船着き場に、多くの観光客の下船していく姿が見られました。
【了】
>もしも日本橋川が空を取り戻し、水面が明るくなったなら、より美しい川辺の景観が広がることになるのかもしれません。
>世界初の都市高速である首都高の、ビルの合間を縫うように高架が走る姿は、これまでSF映画などの創作物へ大いにインスピレーションを与えてきたという声も聞きます。日本橋の上に首都高の高架が走る景観こそが、地層のように歴史が積み重なっている姿であるという見方もできるでしょう。
双方ともに、大いなるエゴイズム。
各自の自己満足のためにこの問題が議論されることは、日本橋自身も望んじゃいないだろう。
日本橋が懸かった時にも、「景観を壊した」と思った人がいたかも。日本橋も地下化しますか? 同様に、周囲の建物も取り壊しますか?
...という事かと理解した。
清水 草一さんか?
私もそう思いました。
けど、乗り物ニュースから引退したのでは?
日本橋が歴史的に重要というのもあるが、日本橋そのものをどうこうしているわけでなく、その上を走る首都高にも歴史がある。
観光化のためとの意見もあるが、日本橋の上に高速が走るのも、日本の風景である。電線も外人からしたら注目のポイントになっている。
一番費用のかからない方法を望む。
ご承知と思いますが、日本橋の地下道に200年前の日本橋付近を描いた熈代照覧絵巻が飾って在ります。
空を取り戻した未来の日本橋を早く見たいものです。
高速の地下化によるメリットデメリットは景観と高額の建設費だけではないのだから、他のメリットデメリットも議論すべき。
メリットとしては線形の悪さからくる死傷事故の多さや渋滞の改善、地盤が振動を抑制することから橋梁に比べて耐震性が高くなる、換気所を通すことによる大気汚染の改善など。
デメリットとしては土木遺産として価値のある首都高が失われること。
個人的には今の酷すぎる線形のまま更新するぐらいなら地下化してもよいのではないかと思う。
ここに橋が架かったのは400年以上も前のこと。この400年を前に高々50年そこらの時間で、しかも当時だって仕方なく渡した高架を「歴史」と語るとは何ともおこがましいですが、それ以前に空はあるのが当然のものであって観光のために取り戻すという発想がそもそも貧しいですね。