名古屋、複雑な交差点の恩恵とは? 右折の内側に直進バスレーンがある理由

いくつもある運行上の利点 しかし過去には「逆走」も

――この「中央走行区間」はバスの運行にどう役立っているのでしょうか?

「道路上の駐停車車両の影響を受けない」「左折車両の影響を受けない」「道路外の駐車場などからの流入車両による影響を受けない」といった利点が挙げられ、これにより高速かつ高密度の運行、そして定時性の確保を実現しています。

――バス利用者からはどのような声があるのでしょうか?

「中央走行区間」の構造についてのアンケートは行っていませんが、1980年代の「基幹バス」運行開始直後に行ったアンケートの結果では、運行について「たいへん良かったと思う」「まあまあ良かったと思う」という意見が8割以上を占め、多くの方から便利になったとの回答をいただきました。

――逆走してしまうケースはあるのでしょうか? どのような対策をしているのでしょうか?

「中央走行区間」の交差点では、バスレーンを走行していた一般車両が、交差点通過後に誤って反対車線のバスレーンに入ってしまったという事例も、過去に報告されています。というのも、バスレーンが交差点内で左に寄る形でS字に蛇行している箇所では、仮にバスレーンのカラー舗装に沿わずに直進してしまうと、交差点の向こう側で反対車線のバスレーンに進入してしまう場合があるからです。このような誤認を防ぐ目的で、1995(平成7)年から順次、バスレーンのカラー舗装の色を進行方向によって変えてきました。

 この「中央走行区間」に特有の交差点の形状は、右ハンドル・左扉という通常のバスを使用すべく、交差点を挟む形で上下線のバス停を設置し、交差点の手前で乗り降りするようにしているためです。

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「中央走行区間」における交差点のイメージ。バス停をはさんで一般車右折レーンの右側に直進のバスレーンが並ぶケース(乗りものニュース編集部で作成)。

※ ※ ※

 名古屋市交通局は、「右折レーンの右側を『基幹バス』が走っているので、慣れない方は戸惑われることもあるかもしれませんが、進行方向を示す大型の規制標識やセパレート信号などをよく確認して運転していただきたいと思います」といいます。交差点においては、カラー舗装の色に注意してほしいとのことです。

 なお、この「基幹バス」のバスレーンは、平日午前7時から9時、17時から19時のあいだは「バス専用」ですが、それ以外の時間帯は「バス優先」で、一般車両の通行も可能です。バス専用時間帯には、バス停の脇などに監視員を配置し、一般車がバスレーンを通行しないよう誘導しているそうです。名古屋市交通局はこの「中央走行区間」について、今後も現行通り運用していく予定だといいます。

【了】

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コメント

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7件のコメント

  1. 路面電車ならおかしくないでしょ

    • 時速40km/hに制限され、却って遅くなる。

    • 確かに。しかしLRVの発想の中にはバリアフリーの関係とかなんとかで逆に左側をLRV、中央を車道に、なんていう提案が少し昔の鉄道雑誌に書いてあったような。

    • 札幌市電が都心新線でそれやってますね>左側をLRV、中央を車道

  2. ええんでないの、バスが他の影響を受けにくい工夫は大事だからね、名古屋ってハイブリッド信号?だっけ?今はどうか分からんけんども、残り数台をやり過ごすに青を僅かに長く点ける工夫とか実際の交通を直視した取り組みがいいと思う、

  3. 階段を昇降しないとバス停に行けないから、アンチバリアフリーだと言ってみる。
    たしかに車の流れは良くなるが。
    腰を悪くして階段がきつくなったので、そんなことを考えるようになった。

  4. 海外ではバスレーンがもっと普及している。それだけ道路が広く、バスがメインの都市交通であるという証拠だが、信号待ち以外は渋滞に巻き込まれることもなく、乗り降りもラクで便利だと思った。
    日本では名古屋の基幹バス以外にないのが不思議。路面電車よりもBRTという時代だというのに。