米海軍の軽空母、なにをもって「軽」なのか 新型導入検討もサイズは実にアメリカン!

そもそも「軽空母」とは

 軽空母という艦種はあくまでも大型空母に対して相対的に小型のものを指す名称であり、軽空母に分類するための基準は特にありません。

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「週刊空母」と呼ばれたカサブランカ級のネームシップ「カサブランカ」。護衛空母(escort aircraft carrier)と分類され、船団護衛を主務とした(画像:アメリカ海軍)。

 現在のアメリカ海軍には軽空母はありませんが、第二次世界大戦時には軽空母ならびに護衛空母と呼ばれた約1~2万トンの小型の空母を大量生産しており、日本のマニアの間ではその就役ペースから「週刊空母」などといわれています。

 アメリカ海軍は1945(昭和20)年のピーク時に、実に100隻もの空母を配備するに至るも、大戦終結後は戦闘機のジェット化・大型化にともない空母を大型化する必要があったこともあり、小さな軽空母の価値は急速に失われ、以降は8万トン超の「スーパーキャリアー(超大型空母)」のみが建造されるようになります。

 現在では、ヘリコプター並びに垂直離着陸戦闘機を主に運用する空母を軽空母と呼ぶことがあり、海上自衛隊のいずも型護衛艦は戦闘機こそ搭載しませんが、軽空母であるといえます。

 アメリカ海軍の新型軽空母がどの程度の大きさとなるかは未定ですが、第二次大戦末期に進水し1992(平成4)年まで運用された、ミッドウェイ級航空母艦と同程度になるのではないかと見られます。

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コメント

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9件のコメント

  1. なお、この記事に関していくつかの疑問点があります。
    この記事で紹介されているカサブランカ級はあくまで商船の船体の設計を流用した護衛空母(速度も18ノット前後)であり、最初は軍艦扱いさえされてませんでした(当初類別記号AVG、汎用航空特務艦、後にACV特務空母、最後にCVE護衛空母)。
    ただし、これとは別に巡洋艦を改造、もしくは巡洋艦の船体の設計を流用した軽空母(CVL)2級11隻は実在していました(戦時1級9隻竣工1隻戦没1級2隻戦後竣工)。
    速度も正規空母並み、防御力や搭載数の不足はあったにしても、正規空母の不足を補う活躍をしていました。
    紹介するならそちらの軽空母とすべきです。
    また、ミッドウェー級に関してですが、就役末期は改装に次ぐ改装で相当無理があった点を考慮に入れるべきでしょう。
    ついでに、将来は無人機の導入で逆に通信、統制、空域管制に余計な手間暇かかりますし、甲板上の搭載機の動きも余計面倒になる事も想定されます。
    また、人員に関しても小型化したわりには削減できませんし、なにより継戦能力が半端になります。
    その点の記述が甘すぎと思います。

    • 詳しいね、眠れぬ夜はまた拝読させてもらうよ、

  2. 最初は名実ともに軽だったものが、やがて名目だけの軽になるってのは日本の軽自動車も同じだね
    まあ色々と欲があるから、ちょっとずつタガが外れていくんだろうね

  3. これ、絶対に費用対効果がものすごく悪い戦艦になるよ。
    この前のイージス艦みたいにフィリピンのタンカーが来たら一瞬で大破するだろう。
    露軍から頑丈な軍艦を買った方が明らかに得策。

    • 戦艦と軍艦は違う。それに第一2万トンの重量のコンテナ船のバルバスバウの接触、いってみれば水面下からの衝角攻撃食らって無事で済む保証があるか。いくら頑丈とはいえ限度があるわ。第一ロシアの軍艦が頑丈だからってダメージコントロールきちんとしなければ結局は沈む。その所考えて。

  4. 80年代にニミッツ級の高価格に鑑みて、似たような提案があったが、費用対効果が悪いということで沙汰止みになった経緯がある。F35Bは正規空母でなくとも充分に運用可能なので、アメリカ級LHAに搭載ということで落ち着くのではないか。

    • となると、改アメリカ級2隻追加建造か。何にせよ空母として扱うなら航空燃料武器弾薬に加えてしっかりとした整備能力が必要ですからね。特にF-35の場合は手抜き整備即ステルスの化けの皮が剥がれるという事も考えられるし(特に実戦の損傷修理時は)

    • アメリカ級LHAの1,2番艦は航空機運用重視のあまりドックウエルを廃止し、海兵隊から苦情がでて3番艦以降従来通りドックウエルを復活させた経緯がある。軽空母としての運用はまずこの2隻で行われるのではないか。