【試乗】トヨタ「カムリ」10代目の実力 「オールニューTNGA」がもたらす「走り」とは

トヨタが2017年7月に発売した新型「カムリ」。セダンというジャンルをけん引する「オールニューTNGA」の10代目は、どのような走りを実現しているのでしょうか。

新型「カムリ」、10代目が担うセダンのいま

 トヨタのミドル・セダンの「カムリ」が10代目へと進化を果たし、これに試乗する機会を得ました。日本ではクルマ好きの方以外にはウケが悪いセダンも、北米では立派な主力車種。そして「カムリ」は、そのセダンウォーズの渦中にあって、長年トップグループを走り続けている実力者であり続けています。

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6年ぶりのフルモデルチェンジを果たした、10代目にあたる新型「カムリ」。

 そんな「カムリ」を見て、まず誰もが思うのは、明らかにそのルックスがアカ抜けたことでしょう。ボンネットに走るエッジの効いたキャラクターラインは明らかに流行の先端を行っているし、水平基調の大型グリルはボリューミーなフロントマスクを間延びさせない強烈なアクセントとなっており、全体的なシルエットも伸びやか。

 そしてこれらは若者ウケを狙ったデザインかと思いきや、ボク(山田弘樹:モータージャーナリスト)の周りでは50代以上の先輩たちにも概ね好評。「これ『カムリ』だろ? いい感じだよな!」とすでにその存在をチェック済みだったり、「カムリ」とは知らずともそのセダンとしての存在感に興味を示したりする人がほとんどでした。

 そして新型「カムリ」は、その大胆奇抜なデザインに負けないほど、走りもいいです。
北米育ちのゆったりとした乗り心地をベースとしながらも、飛ばしてよし、曲がってよしの高いバランスを持ったセダンとなっているのです。

 その走りを支えるのは、現在のトヨタ車における技術的な骨子である「TNGA(TOYOTA New Global Architecture)」です。TNGAはクルマの骨格(プラットフォーム)として語られることが多いですが、もともとはクルマを構成する全ての要素を効果的に配置して、その運動性能を高めるというコンセプト。

 そしてこの新型「カムリ」は、ついにトヨタとして初めてパワートレインまで含めた、「オールニューTNGAモデル」として作り上げられたのです。

 そのキーワードは「低重心」。モジュール構造で設えたTNGAプラットフォームはエンジン、モーター、トランスミッションといったパワートレイン系のみならず、ドライバーズシートの位置をも低く設定しています。これにあわせてシフトやペダル類などの操作系も、緻密にキャリブレーションが取られています。

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G(エモーショナルレッド)〈オプション装着車〉(画像:トヨタ)。
イルミネーテッドエントリーシステム(画像:トヨタ)。
G“レザーパッケージ”(内装色:ブラック)〈オプション装着車〉(画像:トヨタ)。

 それらの効果は運転席に座るとすぐにわかります。

 新型「カムリ」はセダンなので、いわゆるSUVモデルのようにアイポイントを高めているわけではないのですが、見晴らしが凄く良いのがわかります。これは広いフロントウィンドーがもたらす良好な視界と、たっぷりとしたストロークを持つサスペンションによる車高が、緻密にバランスしているからでしょう。

 またSUVやミニバンなどに対し、新型「カムリ」ではドライバーが低い位置に座らされているから、カーブでは頭が振られることが少なく、必要以上に足回りを固めなくてもロールを感じにくく、総じて市街地から高速道路まで、ストレスなく運転できます。

 パワートレインも優秀です。

 日本仕様の新型「カムリ」は、先代同様ガソリンモデルが存在せず、ハイブリッドモデル一本の割り切った構成となっています。しかしこのパワーユニットが、日本の道路事情においては、「カムリ」の車格に相応しい質感を与えてくれます。

 ハイブリッドというと真っ先に思いつくイメージは「低燃費性能」ではないでしょうか。新型「カムリ」の燃費は最大で33.4km/L(グレードは「X」)、今回試乗した「Gレザーパッケージ」でも28.4km/LをJC08モード燃費で記録しています。

 しかしこれと同じくらい評価したいのは、2.5リッターという排気量を持つ、直列4気筒エンジン(178ps/221Nm)の出来栄えなのです。これが通常領域では103.4mmのロングストローク性能をもって粛々と低中速トルクを紡ぎ出し、高回転では可変吸気機構「VVT-iE」と、14という高い圧縮比を持ってストレスなく吹け上がります。

 そしてここに、システム自体を小型化し、高出力化を達成した最新のハイブリッドシステム「THSII」(TOYOTA Hybrid SystemII 120ps/202Nm)が、極めて賢く絡み合い、全域で高い協調性を見せてくれるのです。

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電動パーキングブレーキ&ブレーキホールド(画像:トヨタ)。
ダイナミックフォースエンジン2.5×ハイブリッドシステム[THSII](画像:トヨタ)。
2.5L A25A-FXSエンジン+モーター(画像:トヨタ)。

 最近は純EVモードでの走行距離が長いEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の注目度が非常に高く、モーターのみで走るその独特な静寂感に話題が注がれがちになってます。対して小排気量エンジンのガサツさが目立つハイブリッドは、新鮮味に欠ける傾向が強いのですが、新型「カムリ」はエンジンそのものの排気量が大きく、かつ直噴式の自然吸気式としていることで、ハイブリッドの良さが際立ちます。

 また「プリウス」以来の伝統でもあるパワーフローを可視化したアニメーションや、燃費グラフを見ながら運転できるのもトヨタのハイブリッドの良い点です。数字だけ追いかければダウンサイジング・ターボやディーゼルターボの燃費性能も確かに見逃せませんが、運転中でも常に自車のエネルギーフローを確認できるトヨタのハイブリッドシステムは、ドライバーが自発的にエネルギーセーブをし、かつ自己責任としてガソリンを使うことができるから、運転の楽しさが奥深いのものとなるのです。

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コメント

5件のコメント

  1. マークXがほぼ廃版と決定されている事による先入観なのか、新型カムリのデザインはマークXの延長線上に感じてしまいます。何れにしても昨今のトヨタ車に共通しているドでかいフロントグリルは個人的にド派手・下品としか感じられず好きになれません。デザインがヤンキー志向とも感じてしまいます。当然に個人差の問題で大絶賛の方もいらっしゃるでしょうが・・・

  2. 共食いを避けたいのか?マークXが消えるのは企業戦略なのか?何でこうもハイブリッドなのか?カムリもFRのカリーナ姉妹から独立してFF化してプロミネントと言うV6を積んだ種類まであったり、頭の重さは後のウインダムでも解消されずに暫くはカムリは4発NAで世界から評価されても、環境への流れは絶ちきれずにハイブリッド化したのは個人的には残念!

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