F-15をロケットブースター化? 対弾道ミサイル、かつて検討されたとある有効活用案

人工衛星の破壊は成功するも…?

 残念ながらALHTKの開発はキャンセルされてしまいました。したがってこれを航空自衛隊が導入することはまず考えられませんが、自衛隊による敵基地攻撃能力の保持を議論するくらいならば、すでに数多く保有しているF-15を流用可能なALHTKによって、弾道ミサイルのブースト段階に対する迎撃能力を持つほうが遥かに現実的ではないでしょうか。

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対衛星ミサイルASM-135ASATを発射するF-15。実験は成功に終わり廃棄された太陽観測衛星を撃破した(画像:アメリカ空軍)。

 実はこのALTHK計画の源流は古く、1985(昭和60)年9月13日には、実際にF-15へ対衛星ミサイルASM-135「ASAT」を搭載し、高度555kmの軌道上にあった太陽観測衛星に対する発射試験を実施したことがあります。このときの実験では、F-15とASATは見事目標を捕捉し破壊した実績があります。

 ただし、人工衛星を木端微塵にしたため、まき散らした大量の破片がスペースデブリとなって大変なひんしゅくを買いました。なお弾道ミサイルは軌道飛行しないので、宇宙空間で破壊しても破片は地上に落ちるか大気圏再突入時に燃え尽きます。

【了】

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Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

4件のコメント

  1. 確かに強度面や重量面、それに上昇力といったカタログデータ上では可能かもしれないが、対弾道ミサイル専用の火器管制装置、地上レーダーとの専用データリンクシステムを追加で開発、装備しなければならず、また、ミサイルとの空力的適合試験も行う必要があるため、その分余計な時間と予算がかかる。また、対弾道ミサイルを運用可能な改修を実施した機体(配備数は予備機、稼働率を考慮し、最低限3基地各4機、可能なら5基地各6機ほかに教育、訓練所要として6機前後、よって最低でも18機以上40機以内)は、弾道弾迎撃任務に専念させる必要上、通常の迎撃任務のための戦闘機自体を増やす必要がある。また、現状では、任務に適合する機体はF-15しかなく、もしF-15が退役したらそのミサイルも退役せざるを得ない(F-35の場合単独改修は極めて困難。最低でも日米協同開発の必要あり)。むしろ、この分野は戦闘機よりも多数のミサイル搭載と長時間の滞空時間、より充実した通信能力やセンサーによる探知能力が期待できる大型機(大きさはP-3クラス)改装による常時滞空警戒のほうが現実的かもしれないし(3か所の基地に最低3機配備、教育、訓練所要の4機含め最低13機、最大でも20機前後で済む)、将来的には無人機に任せるべき分野かもしれない。大型機や無人機には空戦能力がないという欠点があるが、どのみち弾道弾迎撃ミサイル搭載時、あるいは迎撃任務中の戦闘機との空戦は不能なため、あまり重視しなくてもよい。

  2. F15はそんなに昔の機種なんだ!何か少し老骨が現役で働くのは励みになるな、ロケットが飛ぶ理屈なんて漫才のネタみたいに観衆に期待されてオマケにケツに点火されたら飛ぶしかない?くらいに全く無知だが、使える所は使って行くのが戦の心得なのだろうか?

  3. イーグルで発射する衛星破壊ミサイルはトム・クランシーの小説に出てたっけ。
    なにもかも懐かしい冷戦時代だ。

  4. へー、日本も衛星破壊実験やってたんだ
    中国がデブリばら撒いてたのをアホかと思って見てたけど、こりゃあ人の事言えないわ